ペッパーフード赤字転落で露呈した「いきなり!ステーキ」の深刻な“共食い”

 かねてより厳しい状況が予想されていた「いきなり!ステーキ」だが、運営元の「ペッパーフードサービス」は11月14日、業績予想を発表し、2019年12 月期の連結業績予想を大幅に下方修正、株主への期末配当を無配にすることを明らかにした。
 
「その発表によれば、売上高は約665億円と前回の予想からおおよそ100億減となっており、営業利益は約7億円の赤字に転落、純利益も15億の黒字予想から一転して約25億の赤字になる見込みとだといいます」(経済誌記者)

「いきなり!ステーキ」は自社競合、つまり店舗同士の客の“共食い”が起こっていることから、19年の出店計画を210店から115店へと縮小したものの、「引き続き自社ブランド同士の競合などの影響が払拭」できず、既存店の売上が落ち込んでいることから、今後は同店の約10分の1となる「44店舗退店することを決定」したと、併せて発表している。その特別損失を計上しての赤字だ。
 
「これまで出店攻勢をかけ続けてきた『いきなり!ステーキ』ですが、まとまった店舗を撤退することを発表したことで、フランチャイズ加盟店から『やめたい』との申し出が増える可能性もあり、今後、さらなる店舗数減が予想されます。もし退店が続出すれば、売上が減るだけでなく、退去費用がかさむことになる。かなり厳しい状況です」(経済評論家)

 ペッパーフードサービスの一瀬邦夫社長は、今後東南アジアに「いきなり!ステーキ」を出店する意向を示しているが、まず自国のグラつく足元から固めるべきなのではという声も聞こえてくる。

(小林洋三)

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