読めば満腹「激安メシ」で生き残る(3)高級寿司を半額で購入するには

 昨今の物価高は大阪のソウルフード、たこ焼きにも深刻な影響を与えた。小麦価格の高騰に加え、総務省の調べでは、タコの価格はこの10年で2倍以上に上昇。ワンコイン以下で提供していた昔ながらの店舗は次々と姿を消し、インバウンド向けに1000円近い値をつけるのが当たり前になっている。

 そんな状況で庶民の味を守り抜いているのが、大黒天物産(本社:岡山)が運営する「ラ・ムー」「ディオ」といったディスカウントストアだ。大阪で活動する万太郎氏が“激安たこ焼き”の秘密を解説する。

「今や南は九州、北は新潟まで全国200店舗を誇る一大チェーンです。大型店には、PAKU-PAKUという店が併設されていて、6個入りのたこ焼きが、驚くことに100円(税込み)で販売されています。もともとは、店舗で商品を購入していた人に無料で提供されていたそうですが、あまりの人気ぶりに100円で販売するようになったとか。味もお墨付きで、ちゃんとたこ焼き用のタコを仕入れていて、風味も歯ごたえも十分。ソースは、おたふくのブランドソースを使用し、10円でマヨネーズも付けられるので、人気店のたこ焼きと比べても遜色はありません」

 たこ焼きのトレンドである〝外カリ、中フワ〟をしっかりおさえた逸品だ。

 高田氏は、百貨店という意外な場所で「激安メシ」を探し当てた。

「夕方頃になると、一般のスーパーでも割引シールが貼られて販売されますよね。あまり知られていませんが、百貨店に入る少し高級なスーパーや惣菜売り場でも同じような割引が行われているんです。大阪で言うと、梅田駅に隣接する阪急百貨店の地下にある食品売り場は宝の山。通常価格が1000円を超える贅沢な商品が半額で購入できます。お気に入りは魚介系の商品で、1500円以上もする高級なお寿司を半額で購入して、自宅でゆっくり味わえば、贅沢なおいしさに心がパッと明るくなります」

 出口の見えない倹約生活にも“プチ贅沢”は必要だ。高田氏は調味料の重要性を説く。

「私が使っているのは、風味が豊かになるトリュフ塩と、独特な旨味がある淡路島産の藻塩です。インスタントラーメンにフライドエシャロットを入れて、上質な塩をパラパラと振りかけるだけで立派な一品になります」

 楽しくおいしく狂乱物価を克服しようではないか。

*週刊アサヒ芸能4月17日号掲載

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