日本では住宅などの建物は、半年に一度、検査が義務付けられており、自宅や職場で立ち会った経験を持つ人も多いだろう。その際、火災報知設備やスプリンクラー、消火器といった設備の点検を行うのが「消防設備士」。れっきとした国家資格で、現在は俳優としても活躍するザブングル加藤が所持していることで知られ、メディアでもたびたび消防設備士としての副業エピソードを語っている。
あるインタビュー記事では、日給が約2万円で、週2~3日の勤務で月収20万円程度になること、午前中で仕事が終わる日があることなどを本人自ら語っている。
「私も副業ですが、似たようなペースで働いているので収入は同じくらいですね。本業より消防設備士の収入のほうが多い月もあるほどです(笑)」
そう話すのは、フリーランスのウェブデザイナーしている山岡健夫さん(仮名・30代)。この資格は、対象設備によって特類と第1~7類と分かれており、このうち第1~4類は整備点検が可能な乙種、これに加えて工事も可能な甲種の2つがあり、全部で13種類ある。
なかでも特に需要があるのは、自動火災報知機やガス漏れ警報器の点検ができる乙種4類、それと消化器が点検可能な乙種6類だ。
「私が持っているのは乙種の4類。火災報知器もガス漏れ警報器は、住宅に限らず、お店やオフィスにも必ず設置されているため、検査の需要はいくらでもあります。他の設備にも言えますが、検査する人手が不足しているので需要はいくらでもあります」(同)
気になるのは資格試験の合格率。平均30~40%程度と決して高くはない。資格情報に詳しいライターは次のように説明する。
「消防設備士は、数ある国家資格の中では比較的簡単な部類。参考書や問題集でしっかり勉強しておけば合格できます。副業で考えている場合、最初は合格率が高めの需要の多い乙種6類を受験し、合格してから乙種4類を目指すのがいいでしょうね」(同)
副業としてだけでなく建物の保守・点検を請け負う企業では必須の資格のため、転職にも役に立つ。興味がある方がぜひ取得を目指してみてはいかがだろうか。