フランスのゲーム開発大手ユービーアイソフトの大ヒットタイトル「アサシン クリード」シリーズから、日本の戦国時代を舞台とした最新作「アサシン クリード シャドウズ」(PS5・Xboxほか)が3月20日に発売された。
同作を巡っては、主人公の1人に実在した黒人・弥助を「侍」として採用したことや、ゆるすぎる時代考証に非難の声が殺到。先行映像では、弥助が意味もなく民家を叩き壊したり、神社で大暴れするシーンがあり物議を醸していた。その後も、ゴザではなくブルーシートのようなものを敷いて花見をしている映像も見つかっており、ゲーマーを呆れさせている。
そんな中、同日にSteamで配信がスタートした「Yasuke Simulator」というシミュレーションゲームが、意外な高評価を集めている。同ゲームはプレイヤーが弥助となって、織田信長と共に天下統一を目指すアクション満載の冒険劇。デモ版をみると、弥助が自転車やオープンカーを乗り回したり、オートマチック拳銃を連射するなどおバカ要素が満載で、アサクリの時代考証の間違いがどうでもよく思えるほどの突き抜けぶりだ。
ところが一方で、制作者が日本史をリスペクトしている一面も見受けられる。
「戦国時代末期に武田信玄・勝頼と徳川家康が激しい争奪戦を繰り広げた『高天神城』の城主・岡部元信が登場したり、細部は史実に基づいて制作されていることがわかります。一見するとおバカゲームに見えますが、実はかなり日本の文化や歴史を調べているように感じますね。アサクリも最初からこのくらいの空気感で制作していれば、大きく叩かれることはなかったかもしれません」(ゲームライター)
気になる価格だが、驚くべきことに容量が10GBもありながらわずか399円。4月4日までの記念セール価格とはいえ、それ以降も470円なのだから、アサクリの9790円~に比べても格安といえるだろう。
発売日をアサクリに合わせるなど、ただのパクリゲームと思いきや、意外なおもしろさにずっぽりハマったゲームファンもいたようだ。
(ケン高田)