関税だけじゃない!石破首相を悩ますトランプのゴリ押し「アラスカ産LNG」大量輸入

 石破首相とトランプ米大統領の初会談は「おおむねグッド」という評価が国内では高まっている。

 石破首相もNHK番組などに生出演し自画自賛だ。一方で、その立ち居振る舞いに、またバッシングの嵐で「日本の恥」というワードがネットトレンドに滑り込むありさまだ。政治部記者が言う。

「ホワイトハウスでの初の日米首脳会談の際、椅子に座った石破首相は、緊張なのかぎごちない座り方。そしてトランプ大統領が握手を求めると、石破首相は最初、左ひじを椅子の上に置いたまま。この姿勢に猛批判です」

「座り方は誰も教えなかったのか…」「肘をついたまま握手する人っているんだ」などというSNSコメントが溢れた。

 だが、一方でその姿勢を評価する声も出ている。2月8日放送のTBS系「情報7daysニュースキャスター」では著述家でプロデューサーの湯山玲子氏が、「首相の無表情でとつとつと話す感じは欧米人のオーバーアクションと違う。ある種、迫力がある。大統領と同格の感じ。コミュニケーションの仕方は素晴らしかったと思う」と手放しの評価。脚本家の三谷幸喜氏も「胴元感が出てました」とマネをするほどだ。

 お行儀・作法はさておいて、肝心の今後の日米関係はどうなるのか。

「日米共同会見の最後に石破首相に米国の記者が『米国がもし日本に関税をかけるとすれば、報復関税を行うか』と問いかけたところ、首相は咄嗟に『仮定の質問にはお答えしかねます、というのが、日本のだいたいの定番の国会答弁でございます』と切り返した。これにはトランプ大統領も『ワオッ、ベリーグッドアンサー』と絶賛。だが、直後にトランプ大統領は石破首相と最後の握手もせず立ち去った。トランプ氏にすればこれからが本番だぜというシグナルだ」(シンクタンク関係者)

 続けてシンクタンク関係者は、こう指摘する。

「トランプ大統領の最大の狙いは、2031年輸出開始めどに日本円で約6兆6000億円という総工費をかけたアラスカLNG(液化天然ガス)ビックプロジェクトに日本が投資して、かつ日本が大量の米国産LNGの購入国になること。日本にすれば問題はLNG価格で採算がとれるかだ。日本にとってもうひとつの壁は、日本製鉄のUSスチール買収が『投資』という名目でどうソフトランディングできるか。そして関税。この3つが上手く決着できれば石破首相の支持率は爆上がりするだろう。逆に失敗すれば参院選前に政権崩壊です」

 予算案成立に向けての少数与党の苦しみ、そしてトランプ大統領にどう向き合うか。石破首相が枕を高くして眠る夜はまだ遠い。

(田村建光)

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