カニエ・ウェストは、ラッパーとしての自身におけるソロ活動に加え、楽曲プロデュースでも数々のミリオンヒットを世に排出。グラミー賞に76回ノミネート、うち24回も受賞するというとんでもない記録を打ち立てたアメリカのスーパースターだ。
しかし、その破天荒な言動が、これまでに数々の物議を醸しており、2月10日、カニエが所属する芸能エージェンシー「33&West」が突如、カニエの契約解除を発表。彼と長年仕事をしてきた音楽エージェントのダニエル・マッカートニー氏もインスタグラムのストーリーズで、《今後、即時に私はカニエ・ウェスト(イェ=改名後の名)の代理を務めません。彼の有害で憎悪に満ちた発言は、私自身も33 & Westも耐えられないからです》と投稿。協力関係を断絶すると発表し音楽業界に大きな波紋が広がっている。音楽ジャーナリストが語る。
「今回の関係断絶の原因はずばり、カニエによる反ユダヤ的発言です。カニエは6日の『X』で、アドルフ・ヒトラーを称賛し、あろうことか反ユダヤ主義を《ユダヤ人が作り上げたただの嘘。反ユダヤ的な指導者について語ることは正常化されるべきだ》などと投稿。自らのウェブサイトで、ハーケンクロイツが描かれたTシャツの販売まで始めたんです。しかも問題はこれだけにとどまらず、数日後には現在性的人身売買や恐喝、売春目的での輸送の容疑で裁判を控えているラッパー、ディディを擁護するなど、目に余る言動が続いた。Xのアカウントは10日に無効化されたものの、ここまでくると、もはや事務所もエージェントも彼をフォローできなくなった。結果、クビの通告となったわけです」(同)
カニエは22年にも反ユダヤ発言で所属事務所を解雇された“前科”があるが、その後も懲りる様子はなく、ヘイト発言を繰り返していたことで周囲の仕事仲間らもどんどん離れていたという。加えて常々問題視されていたのが、カニエの妻に対する「露出狂的ファッション」の強要疑惑だった。
「カニエは今月2日に開かれたグラミー賞の授賞式に、予告なく妻のビアンカ・センソリを伴い現れたのですが、彼女が着用していたのがシースルードレス。しかも、裸同然の妻の姿がメディアに紹介されると自身のSNSで《グラミー賞を打ち負かした》《私の妻は地球でもっともグーグル検索されている》と、うそぶく始末。
「17才年下のビアンカは、オーストラリア出身の建築家兼デザイナーで、2020年にカニエのファッションブランドに入社し、カニエと“いい仲”になり結婚したわけですが、カニエの前妻のキム・カーダシアンとも性格の不一致を巡り揉めに揉めた挙げ句、離婚したことは有名な話。彼はどうも女性を支配下に置きたがる性格のようで、前妻はそれに耐えられなかったとも伝えられています。その点、ビアンカはカニエの元部下ですからね。当初はあの過激なフッションも自ら好んでそうしているのでは、と思われていましたが、実は強要され嫌々ながら身につけていた、というのが真相のようです」(同)
その証拠に、グラミー賞授賞式の報道後に沸き起こった世間からの批判的な声に対し、カニエは、《私は妻を支配している。億万長者と一緒にいる彼女は、なぜ金のない君たちの言うことを聞くというのか》とSNS上で反論。このコメントを受けメディアも、一斉に「ビアンカの度を超えたファッションは実は夫の命令だった」と報じている。
結婚当初はシンデレラストーリーとも称された夫人だが、実はカニエの支配下に置かれ、衣装まで強制されているとしたら…。結婚生活に暗雲が立ち込める日も近いかもしれない。
(灯倫太郎)