北海道・美瑛のシラカバ並木伐採がカーマニアを不安がらせた「ケンとメリーの木は大丈夫か」

「次はあの木が伐採されてしまうかもしれない…」。ネット上ではそんな声が上がっていた。

 オーバーツーリズム(観光公害)の深刻化により、北海道美瑛町で1月14日、観光スポットになっている約40本のシラカバ並木が伐採された。シラカバは1976年にたばこのパッケージに採用された「セブンスターの木」と隣接しており、次はこちらも伐採の対象になるのではないかと、不安の声が相次いでいる。

 美瑛町では2016年2月に一本のポプラの木、通称「哲学の木」が倒されている。哲学の木の周辺は畑だったが、立入禁止の標識があるにもかかわらず無断侵入し、撮影する観光客が後を絶たない状況が続出。また停めてあるトラクターに乗り込むといったマナー違反も相次いでいた。老木だったことから倒木の危険性もあり所有者の農家によって倒されたが、観光客の迷惑行為も伐採の要因となった。

 美瑛にはセブンスターの木の他にも、1972年に日産自動車「スカイライン」のCMに登場した「ケンとメリーの木」もあり、こちらも人気の観光スポットになっている。「ケンとメリーの木」はCMに登場したカップルの名前から付けられ、今でも車好きの間で親しまれている。こちらにも懸念の声が出ているが、もし同じようなことになれば、スカイライン好きから悲鳴が上がるだろう。

 美瑛町はヨーロッパの農村にも似た丘陵地帯が広がることから、「丘のまち」として親しまれ毎年多くの観光客が訪れている。思い出の木々が久々に訪れたら無くなっていた…そんなことが繰り返されないためにも、観光客にはマナーを守ってほしいものだ。

(ケン高田)

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