1月20日に就任式を迎えるトランプ次期大統領。2017年~21年の前回任期中にも触れていたが、現在でも「(デンマーク領の)グリーンランドは国家の安全保障上において必要」「(パナマ運河の管理権をパナマに返還したのは)大きな間違いだった」と語るなど、両地域の領有に意欲を見せている。
さらに記者からこの件について軍事的・経済的圧力の行使の可能性を問われると「使わないとは保証できない」と述べている。トランプ氏らしいと言えばそれまでだが、この発言によりグリーンランドを巡る動向がさらに注目を浴びている。
ネット上では当然ながら世界中から批判の声が殺到。だが一方で《トランプの領土欲はプーチンや習近平と同じ》《米中露の指導者は全員野心家》など、似た者どうしと指摘するコメントも溢れている。実際、海外では3人の共通点について分析・考察するメディアもある。
「社会体制が異なる国で生まれ育ち、思想的なバックボーンが異なるのは当然ですが、いずれも各国の歴代指導者の中でも特に野心的。強大な権力を有することを考慮しても独裁的で、国内や国際社会でも協調を重んじるタイプではありません」(全国紙記者)
また、いずれも自国では保守派と称され、保守層に支持されているのも大きな共通点だ。
「しかも、3人とも70代と高齢のせいか以前よりも保守的になったと言われ、老害とバッサリ切り捨てるメディアもあります」(同)
そんな似た者同士ゆえに親近感を持つのだろうか? トランプ氏はプーチン大統領に対し前回就任中から友好的なスタンスで、最近もその姿勢に大きな変化は見られない。
「米国とロシアの間には、直接的な利害関係の対立が少ない。ウクライナ問題にしても他人事と捉えているフシがあり、ロシアの実効支配地域をそのまま割譲する形での停戦構想を口にするのもそのためでしょう。実現すれはプーチン大統領に恩を売ることもできますから」(同)
習近平国家主席とは現在の米中関係では親密な関係を築き上げるのは難しそうだが、“政治の世界は一寸先は闇”なのも事実。急接近する可能性もゼロとは断言できない。いずれにせよ、トランプ氏を含む3大国の指導者とその関係性が、今後の国際社会を左右することになるのは間違いなさそうだ。