「二日酔い」を軽減させる飲み方“5つのポイント”

 忘年会シーズンも大詰め。年始にも宴席の機会が増えるだけに、二日酔いに悩まされるビジネスマンも多いことだろう。二日酔いの症状は人それぞれだが、大半は吐き気や頭痛、下痢、眠気など。時間とともに症状は軽減していくものの、時には24時間不快の症状が残ってしまう、という場合もあり、そうなると“あの地獄”の苦しみ1日中味わうことになる。

 二日酔いの原因とされるのが、アルコールを分解する際に発生する有害物質アセトアルデヒドで、酒を飲んだことで肝臓が処理能力を超えてしまうと、このアセトアルデヒドを処理しきれずに、それが血液中に入り込んで蓄積され激しい頭痛や吐き気を引き起こすといわれている。

 ただ、肝臓のアルコール処理能力は人それぞれで、同じ量を飲んでも二日酔いになる人と、ならない人がいる。加えて肝臓の機能は年齢とともに衰えるので、「若い頃はこのくらいの酒で…」なんて思っていた人が二日酔いになりやすくなったという話を耳にすることも多い。

 アセトアルデヒドの血中濃度を下げるためには、十分な水分摂取が必要になる。ただ、だからといって水分ならなんでもいいと迎え酒する人もいるが、当然のことながら、これは完全にNG。また二日酔いによる頭痛は、アセトアルデヒドによる血管拡張で、神経が圧迫することが原因であるため、血管の収縮作用があるカフェインを含むコーヒーや紅茶も少量なら、確かに効果的だ。しかし、カフェインには利尿作用もあるので、少しでも早く治したいとばかり大量摂取すると脱水を引き起こし、結果、症状を悪化させる可能性があるから要注意だ。

 そのため二日酔いの後に飲むのであれば、スポーツドリンクやトマトジュースがおすすめ。肝臓がアルコールを分解する際に必要とするのが糖質。スポーツドリンクなら水分補給と低血糖の解消が同時に可能で、トマトジュースに含まれるリコピンにもアセトアルデヒドの作用を抑える効果がある。

 また、汗をかいてアルコールを体外に出せば、二日酔いが早く治ると勘違いし、熱いお風呂やサウナの利用する人がいるが、これもNG。二日酔いのときには、ただでさえ身体が脱水状態に陥りやすくなっている。そんな状態で大量に汗をかけば脱水がさらに進行、体内のアルコール濃度が高まってしまうため、大変危険だ。

 当たり前のことだが、「二日酔い」は、なってから治すより、ならないに越したことはない。では、どんな飲み方をすれば二日酔いになるリスクを軽減できるのか。そのポイントが、以下に挙げた5つだ。

①飲む2~3時間前に小腹を満たしておき、空腹時の飲酒は避ける。コップ1杯の水を飲んでおくだけでも有効。

②飲むときはチェイサーなどを用意。水も一緒に摂取することで、血中のアルコール濃度を下げる。

③酒のつまには、肝臓やアルコールの分解酵素の働きを助ける、タンパク質やビタミンB群が多く含まれる豆腐や枝豆などの大豆製品のほか、チーズや豚肉や生ハム、さらにアルコールの代謝に効果的なリコピンやクエン酸、ビタミンCなどの栄養素が含まれるトマトがおすすめ。

④締めはラーメンではなく、タウリンやアラニン、グルタミン酸など肝臓の働きを高めるしじみの味噌汁を。

⑤気分が悪くなったら我慢をせずに吐く。

 ただ、⑤は、あまり無理すると胃や食道にダメージを与え出血を起こす場合もあるので、吐き気が軽ければ我慢したほうがいい場合もある。せっかく気分よく飲んで帰っても、翌日が二日酔いではもったいない。酒とはうまく付き合っていきたいものだ。

(健康ライター・浅野祐一)

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