閉幕したサッカーJ1で19位に終わり、9年ぶりのJ2降格が決まったコンサドーレ札幌。最終戦まで指揮を執った名将ペトロヴィッチ監督が就任した18年にはリーグ4位、翌19年にはルヴァンカップで準優勝を果たす好成績を残したが、今年は序盤の不調が最後まで響く結果となってしまった。
そんなコンサドーレのホームスタジアムとして知られているのが大和ハウス プレミストドーム(札幌ドーム)。今シーズンもホーム開催の全試合がこちらで行われ、プロ野球の日本ハムがエスコンフィールドに本拠地移転後はいちばんのお得意様と言っていい。
だが、来期はJ2で戦うこととなり、日程や試合会場はまだ発表されていないが、当然、クラブ予算は今季より大幅な縮小を余儀なくされる。6日にはプレミストドームの愛称ロゴ看板設置のお披露目会が開かれたが、スタジアムを運営する株式会社札幌ドームの山川広行社長は、「J1に比べ観客数の減少につながる」と厳しい状況が待ち受けていることを認めている。
「日ハム本拠地時代の試合数には遠く及びませんが、それでもコンサドーレは今年リーグ戦とルヴァンカップ、天皇杯合わせて公式戦23戦を開催しています。ただ、J1とJ2ではリーグ戦1試合あたりの観客動員数に1万人以上の開きがあります」(スポーツ紙記者)
コンサドーレといえば、かつてはドームと厚別公園競技場を長きにわたってホームとして併用してきた。使用料は明らかに厚別公園競技場のほうが安そうだが、来期は同競技場での主催試合が増えるのだろうか?
「その可能性はゼロです。現在、Jリーグが定める施設基準をクリアしておらず、試合を開催するには承認が必要なのですが、それ以前に現在は改修工事中。26年3月末まで使用できないため、来シーズンのホームゲームも全試合ドームになりそうです」(同)
ドームでの主催試合の減少という最悪の事態は避けられそうだが、このままだと赤字の拡大も避けられない。11月には人気アイドルグループ「Snow Man」の2日連続公演で大入りと会場としてのポテンシャルの高さを見せつけたのも事実。負の遺産化の回避は、コンサートなどの大型イベントがどれだけ入るかにかかっているようだ。