マリオット初のビジネスホテル“お手頃価格”は「東横インの倍」というブランド力

 約1万5000円のビジネスホテルは日本で支持されるか。米マリオット・インターナショナルは11月18日、大阪市内に「フォーポイントフレックスbyシェラトン 大阪梅田」を開業した。

 マリオット・インターナショナルとは、アメリカに本社を置く世界最大手のホテルチェーン企業。「マリオット・ホテル」「ザ・リッツ・カールトン」「シェラトン」などの高級ブランドを展開している。アジア太平洋地域では初展開となるブランド「フォーポイントフレックスbyシェラトン」は、公共交通機関や市内中心部へのアクセスが便利なロケーションにあり、手が届きやすい価格帯が特徴。いわば、マリオット版のビジネスホテルのようなものだ。同社は2025年までに函館、金沢、神戸など10都市に14ホテルを開業する。

「フォーポイントフレックスbyシェラトン 大阪梅田」はJR大阪駅から北へ徒歩10分の好立地。部屋の広さはシングルとダブルが14平方メートル、ツインが18平方メートル。客室には無料Wi-Fiのほか、一般的なホテルと同様にアメニティも完備。必要最低限の道具や設備が整っている。宿泊料金は同ホテルのHPを見ると、シングルの1泊2日が「オープニング スペシャル キャンペーン」で1万5345円(税込・以下同)、同「ベッド&ブレックファストレート」が1万8273円だ。

 一方、大阪(東梅田駅)からひと駅にあるビジネスホテル「東横INN 大阪梅田東」の場合、シングルは7200円(12平方メートル)。公式HP割や会員割を利用すれば6650円まで下がる。「フォーポイントフレックスbyシェラトン 大阪梅田」の半額で、しかも朝食が無料でつく。

「ホテルの宿泊料金は高騰化していますが、東横イン以外にも1万円以下で宿泊できるビジネスホテルは数が減ったとはいえ、まだ存在しています。『フォーポイントフレックスbyシェラトン 大阪梅田』は〝手が届きやすい価格帯〟といいますが、ビジネスホテルとしては高額でしょう。実際、利用するのはインバウンド客が中心で、日本人の場合はリーズナブルな宿を取れなかった人が利用するケースが多いのではないでしょうか。逆に言えば、日本のビジネスホテルは安価でサービスも充実しており、マリオットにも負けないといえます」(トラベルライター)

 ブランド力では勝てないが、コスパの良さでは日本のビジネスホテルに分がありそうだ。

(石田英明)

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