「闇バイト」に警察庁が異例の呼びかけ…抜け出した本人はどのように“保護”されるのか

 首都圏を中心に相次ぐ「闇バイト」強盗事件。

 SNSで闇バイトに応募すると、身分証を指示役グループに送ってしまい、個人情報を犯人グループに知られ自身や家族に危害を加えると脅されて犯行に及んだケースも多いという。

 そんな中、警察庁は10月18日、闇バイトに応募し、実行役として犯罪に加担しようとしている人に向けて異例の動画を公開。

 動画では、警察庁の生活安全企画課長が「警察から強盗に加担しようとしている方へ伝えたいことがあります」と語り、「脅迫が理由であっても、強盗は凶悪な犯罪」「勇気を持って抜け出し、すぐに警察に相談すれば、あなたや家族を確実に保護する」などと呼びかけた。

 この呼びかけ以降、闇バイトに応募した人などから実際に相談が寄せられ、警察が本人や家族の保護に乗り出したケースが少なくとも3件あったそうだが、この保護の内容とはいったいどんなものだろうか。

「日本には警察が強制的に保護する制度はなく、ストーカー被害者への対処と同じ手法になるのではといわれています。となると、緊急通報装置やGPS端末などの貸し出し、自宅周辺のパトロール強化、家族に危険性がある場合は一時的にシェルターに避難してもらうなどの対策が行われます」(夕刊紙記者)

 では、闇バイト応募者が自首して保護された場合、罪はどうなるのか。

「指示役に脅されているだけなら無罪ですが、すでに凶器を購入した、もしくは犯行後となれば無罪放免とはならないようです」(同)

 できるだけ早い段階で保護を求めたほうがいいということだろう。

(鈴木十朗)

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