「ダメ夫・トランプ氏に耐え忍ぶ妻」メラニア夫人が出版する“回顧録”の中身

 米大統領選に向け現地時間の9月10日、ABCテレビ主催で行われたトランプ前大統領とハリス副大統領の初の直接対決は、予想通り90分間にわたる激しい攻防戦で幕を閉じた。

 ハリス氏がトランプ氏の“中絶禁止”の主張を「不道徳だ」とすれば、トランプ氏は移民問題を取り上げ「スプリングフィールドの街では不法移民が犬や猫を食べている。そこに住む人々のペットを食べている。これが我が国で起こっていることで、恥ずべきことだ」と、これまでのバイデン政権を批判。司会者から「事実ではない」とたしなめられる場面もあり、終始、討論会はエキサイティングな展開を見せた。

 そんな討論会を直前に控えた8日、トランプ氏の妻メラニア夫人が、近く発売する自身の回顧録のプロモーション映像をX(旧ツイッター)を投稿し、話題になっている。

「政治の世界と一定の距離を置いてきたメラニア夫人は、前回トランプ氏が大統領に立候補した際も同様、今回の大統領選に際しても、トランプ氏が共和党の大統領候補に正式指名された7月の党全国大会も一応出席はしたものの、演説もしませんでしたからね。これは極めて異例なことです。さらに、夫の暗殺未遂事件の際もコメントを出しただけで、メディアの前で心情を語ることはなかった。むろん、時期的にトランプ氏と女優との『不倫口止め料』の支払いを巡る虚偽記載等の裁判で、罪状の34件すべてが有罪評決になったこともあり、コメントすれば、いらない腹を探られるとの判断もあったのでしょう。ただ、以降も沈黙し続けることで、最近ではすっかり『ダメ夫に耐え忍ぶ妻』というイメージが定着したようです」(外報部記者)

 そんなメラニア夫人が投稿した映像では、《2020年の選挙結果は、私たちの生活を一変させた。生活の質、食費、ガソリン代、安全、そして地政学的な環境にまで影響を及ぼした》と私生活にも言及。別の映像では《しばしば世間から詮索され、誤解の対象となった私人として、事実を明らかにする責任を感じている》と出版の動機を語っている。

 そんな相乗効果も手伝ってか、10月発売予定の回顧録「メラニア」には書店からも事前注文が殺到。米アマゾンでは予約段階でベストセラー入りしているというが、

「版元からのリリースによれば、内容は母国スロベニアで過ごした幼少期や、モデル時代のエピソード、そして大統領となるトランプ氏との出会いなどが赤裸々に語られているとのこと。ただ、メラニアさんについては過去、数多くの暴露本が出版されていますからね。果たして自らの口から新事実が語られるのかどうか、その内容が気になるところです」(同)

 過去にメラニア夫人の“知られざる素顔”を綴った著書としてベストセラーになったのが、ピューリッツァー賞受賞記者である米紙「ワシントン・ポスト」のメアリー・ジョーダン氏が上梓した「The Art of Her Deal: The Untold Story of Melania Trump」が有名だが、

「ジョーダン氏は、メラニア夫人のスロベニア時代の学友から、元ニュージャージー州知事まで100人以上を取材。彼女は共産党員で運転手と自動車修理の仕事をする父親と、子供服工場のパタンナーをしていた母親との間に生まれ、母が作った洋服のモデルとしてランウェイを歩き、16歳の時にプロのフォトグラファーの前でポーズを取っていたことなどが綴られています」(同)

 さらに複数のフォトグラファーが、メラニア夫人の整形手術痕を確認した、またリュブリャナ大学で学士号を取得したと語っているが、実は入学は事実だが卒業はしていない等々、秘められたエピソードも暴露されている。

「同著では夫人がトランプ氏と早い段階から寝室を別していること、トランプ氏の娘のイヴァンカとの軋轢なども綴られていますが、面白いのはメラニア夫人がスロベニア時代を含め、過去の友人知人との連絡を一切断っているということ。ジョーダン氏いわく、メラニア夫人は、『チャンスをつかむとそこに全力を注ぐ。そして二度と振り向かないのだ』と書いていますが、あるいは彼女にとってトランプ氏は、すでに過去の人なのかもしれません」(同)

 妻しか知らない夫の素顔が描かれていれば、ベストセラー間違いなしの回顧録発売まであと半月と迫っている。

(灯倫太郎)

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