すかいらーくが「資さんうどん」買収、関東進出への課題とは?

 おそらくは九州、特に福岡出身で首都圏に勤務する人たちにとって一番の朗報だったのではないか。9月6日にすかいらーくHDが発表した「資さんうどん」の買収。10月上旬に、約250億円で資さんうどんの全株式を、日本の投資ファンドのユニゾン・キャピタルなどから取得するという。

 なぜ九州、特に福岡出身の人にとって朗報なのかと言えば、関西のように薄味のダシと柔らかい麺で知られる「九州うどん」は、複数のチェーン店が存在するが、資さんうどんはその最たるものの1つだからだ。つまり九州人のソウルフードだからだ。

「1976年に福岡県北九州市で創業された同社は、地域をしぼって集中的に店舗展開するドミナント方式で、北九州を中心としたエリアで店舗数を拡大しました。そんな中、15年に創業者が亡くなると、後継者がいなかったので地元の福岡銀行などが出資するファンドが同社株を取得し、18年にはさらにユニゾンに渡りました。この間、九州一円で店舗を拡大。23年6月にツイッター(当時)で関西進出を宣言するや、23年に岡山、大阪、24年には兵庫まで店舗網を広げていたところです」(経済ジャーナリスト)

 その店舗拡大のキーマンとなったのが、ユニゾンに株式が移った後に社長に就任した佐藤崇史氏だ。佐藤氏は資さんの社長に就任する前は、ユニクロで執行役員を務めていた経営のプロだ。

 そして今回、ガスト、バーミヤン、ジョナサンなどを運営する、外食チェーン大手の傘下に入ることとなった。となると、関西はおろか、東京を含む東日本への進出がどうなるかが気になるところだ。

「その先手ということでしょう、7月には東京・内神田で期間限定で出店したところ、長い行列が出来たとあってメディアの間でも話題になりました。となると、すかいらーく傘下に入り、東京への本格進出する場合、九州うどんがそのまま受け入れられるかが問題でしょう。カップうどんなどと同じように、東と西で味をアレンジするなんてことも考えられなくはありません。いずれにせよ、トッピングが豊富で、常時100以上のメニューがあって、ぼた餅も意外な名物だったりする資さんうどんが東京でも楽しめるようになれれば、同じうどんチェーンでも、今までにない選択肢ができるのは好ましいことです」(同)

 関東進出には課題が指摘されるが、丸亀製麺、はなまるうどんの2大チェーンがどんな対抗策で迎え撃つのか、注目されるところだ。

(猫間滋)

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