AMIのブレイキン金メダルは影が薄かった「聖地」溝の口の「住みたい街ランキング」を押し上げるか

 パリオリンピックの新種目ブレイキン女子で、AMIこと湯浅亜実が金メダルを獲得し、在住する川崎市、とりわけ彼女が腕を磨いた溝の口に注目が集まっている。

 溝の口は、JR南武線「武蔵溝ノ口駅」と東急電鉄田園都市線・大井町線「溝の口駅」を中心とした川崎市の中核都市。特にJR駅の改札近くの一角は、長年若者を中心にダンスを楽しむ人が訪れ、ブレイキンの「聖地」として知られている。市ではブレイキンを盛り上げようと、8月10日深夜から11日未明にかけてパブリックビューイングが開催され、200人以上が訪れ歓声を上げた。

 実は溝の口は渋谷など都心へのアクセスが良好にもかかわらず、家賃相場は低めだ。南武線の川崎方面にある武蔵小杉に比べて影が薄いばかりか、「住みたい街」といった恒例のランキングでは、かなり下位に位置しているのが現状だ。

 地元不動産関係者が語る。

「溝の口は周辺の街に比べ家賃が安いことから、シングルと若い夫婦に人気なんです。川崎というと治安が悪いイメージが先行していましたが、溝の口駅周辺などは再開発が進んで商業施設も充実し、むしろ暮らしやすい街に変貌を遂げている。そんな中、市は若年層を取り込んで街の活性化を図るべくブレイキンのバックアップに力を入れてきましたが、パリ五輪での金メダルはかなりの追い風になるでしょうね」

 AMIが溝の口の「住みたい街ランキング」を押し上げるかもしれない。

(ケン高田)

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