アップルが開発本格化か「スマートリング」市場で始まる世界覇権争い

 アップルのスマートリングの市場投入に向け、開発が本格化している。そんな情報が持ち上がっているのは韓国から。サムスンの商品情報で定評のあるメディアが報じたものだ。

「『Apple Ring』という仮称で呼ばれているスマートリング開発に関する情報がもたらされたのは今に始まった話ではなく、2015年にはアップル社関連特許を出願していることが確認されています。かたや同じウェアラブル端末のスマートウォッチの昨年末の世界の出荷台数でシェア45%に次ぐ18%の2位で、この分野でアップルとライバル関係にあるサムスンは今年1月、スマートリングの『Galaxy Ring』の24年末までの投入を予告している。アップルが本格参入となれば、スマートリングにおける世界的覇権抗争が始まることになります」(経済ジャーナリスト)

 ではアップル・リングがどんなものになるかと言えば、その内実は全く分かっていない。ギャラクシーリングも詳細は不明ながら、ヒントは与えられているので、そこからおおよそのところは推察できないこともない。

「1月の予告では、サムスンのヘルス&ウェルネスの分野での『「サムスン・ヘルス」の可能性を次のレベルまで上げる』とされました。サムスン・ヘルスは歩数計や心拍測定、ウォーキング時間の自動測定で、健康を一元管理するアプリです。時計に比べてリングは付けっ放し可能という利点があるので、ここに睡眠や様々なストレスに関する情報測定が加わったものになると考えられます」(同)

 もちろんアップルもヘルス&ウェルネスに力を入れていて、すでに14年のアップルの開発者向けイベントのWWDCでアプリの「ヘルスケア」を発表以来バージョンアップを重ね、昨年は「メンタルヘルス」や「近視の予防」などの機能を加えている。そのためアップルにおいてもやはり、「可能性を次のレベルに上げる」という形になるのではないか。

 ちなみに既存のスマート・リングの分野では、フィンランドのヘルスケア企業のOuraが約半数のシェアを占め、やはりヘルスケア中心。これを24年末までの商品投入でサムスンが追う形になり、情報が正しければ近々にアップルがこれに加わるというわけだ。

 ただ新商品に関して、投入まで秘密主義を貫いた上で画期的なものを登場させるアップルのこと。驚きの機能まで付加されているやもしれず、いずれにせよ登場が待たれる。

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