梅雨が明け、本格的な夏を迎えると使用する人が急増する「携帯扇風機」。ハンディタイプや首掛けタイプの扇風機は、簡単に涼を得られ、最近は静音性に優れたペルチェ式の「冷却プレート」が付いた新機種も発売されるなど、大人気商品になっている。
ところが、携帯扇風機は誤った使い方をすると命に関わる危険があることをご存知だろうか。特に首などに直接風を当てると危険度が増すという。医療ジャーナリストが解説する。
「携帯扇風機は主に屋外の気温の高いときに使用する機会が多いと思いますが、風を当てていると汗だけが乾き、体温が上がったままになることで、脱水症状を引き起こすことがあります。そもそも携帯扇風機は、もともと温かい空気を攪拌して身体に当てている。風が当たることで『涼しい』と感じますが、実際は単なる錯覚なのです。温かい風を首に当て続けると、血管が温まり、その熱い血液が体中に巡って逆に体温が上がってしまうこともあり、注意が必要です」
他にも顔に当てることで涙が蒸発して角膜を痛めるリスクもあるという。さらには、
「爆発、発火事故の危険性もあります。消防局や『製品評価技術基盤機構』(NITE)も注意を呼びかけていますね。落下させて強い衝撃が加わった場合に、内蔵のバッテリーが損傷し、爆発する可能性があるというのです」(前出・ジャーナリスト)
もちろん、携帯扇風機を使わない、という選択肢もある。
「携帯扇風機以外にも暑さを避ける方法はあります。首に『ぬれタオル』をまくと効果的に熱が取れますし、最近は水を入れて首に巻く『クールリング』も人気ですね」(前出・ジャーナリスト)
携帯扇風機も使用法さえ間違えなければ安全に涼が取れる。もちろん、他の手段を試みるのもいいだろう。様々な方法を駆使して不快な夏を乗り切りたいものだ。
(ケン高田)