BBCが今度は「進め!電波少年」を問題視 なすびの「懸賞生活」は人権侵害だったのか

 昨年3月に放送された英国BBCのドキュメンタリー「J-POPの捕食者:秘められたスキャンダル」がきっかけとなり、ジャニー喜多川氏の長年に渡る性加害行為が明るみに出たのは、記憶に新しいところ。

 この問題については日本でも一部週刊誌などが報じたが、ほとんどのメディアはジャニーズ事務所の圧力を恐れ、知らぬ存ぜぬを貫いてきた。ところがBBCがタブーに切り込んだことで、芸能界を牛耳っていた王国は崩壊。海外ジャーナリズムの影響力にあらためて驚かされた人も多かったのではないだろうか。

 そのBBCが今度は1998年に放送されたバラエティ番組「進め!電波少年」(日本テレビ系)の“ある人気コーナー”について言及している。

 芸能ライターが説明する。

「5月2日からディズニー傘下のHuluで全米配信されているドキュメンタリー映画『The Contestant』(2023年)が、現地で注目を集めています。この映画は1998年に放送された『電波少年的懸賞生活』で、タレントのなすびがアパートの一室に連れて行かれ、懸賞品の総額が100万円に達するまでは出られないという企画を取り上げています。なすび本人だけでなく、母や妹、番組のプロデューサーだった土屋敏男氏のコメントも織り込まれており、それぞれが抱えている複雑な胸中が浮き彫りになっています。BBCはこの映画が米国で注目を集めていることについて、『娯楽に関してどこで線引きをすべきか、観客の欲求がどの程度責任を負っているのか』と疑問を呈しています」

「電波少年的懸賞生活」が海外で紹介されると、世界中の視聴者から「人権侵害だ」「なぜ訴訟しないんだ」という声が、なすびの元に多数寄せられていたという。

 だが、なすび自身も長らく葛藤を抱えていたというが、現在は「トラウマとして抱えるのではなく、未来を変えていくことに使っていきたい」とポジティブに考えられるようになったことを明かしている。

「The Contestant」は、今年後半に英国で公開される予定。日本での配信は未定だ。

(ケン高田)

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