前述した「スポットワーク」で斡旋する仕事はバッテリー補充に限らない。専用ブラウザのマップ上には星印やカメラのアイコンがたびたび表示される。試しに星のマークをタップすると、〈コインランドリー清掃業務〉のミッションが出現。報酬は30分の業務で1031円(税込み)。時給にすれば約2000円だ。
「清掃業務は週1から週3のペースで、長期契約を結ぶケースが大半。近所でこの仕事にありつければ〝定期収入〟が得られます。カメラのマークは物件撮影の業務。不動産会社がサイトに掲載するための写真で、画素数の基準をクリアしていればスマホでも撮影可。報酬は1物件100円以下が大半なので、数をこなしていくことが重要です」(先輩ワーカー)
チラシのポスティングも数が勝負となる。
「東京23区では1枚あたり3円から8円が相場。各営業所でチラシの束を受け取り、指定されたエリアの家のポストに投函していきます。実はネット関連の詐欺が横行していることもあって、紙のチラシのニーズが急増中。特に猛暑となるこの夏はどこも人員不足で、熱中症対策を万全にして挑戦してほしいですね」(風祭氏)
うーむ、ならば一気にデカく稼ぎたい。そんな御仁にオススメしたいのが墓参り代行だ。「足が悪くてなかなか行けない」「帰省する時間がない」といったニーズに応えて、墓の掃除や供花を代行するサービスだ。
個人の技術やノウハウを売り買いするサイト「ココナラ」で検索すると、200件以上がヒット。報酬は5000円から3万円と幅広い。
「わざわざ遠出する必要はなく、歩いて行ける距離にある霊園を『サービス内容』の欄に記載して、客待ちすればいいのです。都内であれば、大きな多磨霊園、小平霊園などの近くに住む人はぜひ試してほしい」(登録ユーザー男性)
散歩をビジネスへと昇華させたのはフリーライターの下関マグロ氏だ。約20年前に糖尿病を患い、そこから一念発起。「1日1万歩」を習慣づけて、人生が好転したというのだ。
「一時は体重が120キロを超えていましたが、50キロ以上の減量に成功して血糖値も改善。仕事面では執筆のテーマをフェチから散歩へとシフトチェンジ。そこで地域に根ざした中華料理店の魅力に気づき、町中華についての記事を書くようになりました。散歩の途中でSNSにアップした投稿をきっかけに『本を出しませんか?』とオファーをいただくこともあります」
そんな下関氏の「X」のフォロワーは現在約5500人。閲覧数に応じて広告収入を得るための条件「フォロワー500人以上」をクリアしており、SNS投稿を収益化することも可能だ。
「どんな副業やポイ活が流行っているのか、常にアンテナを張っておくことが重要です。情報収集、健康維持のためにも散歩は欠かせません」(下関氏)
スキマ時間を無駄にせず、テクテク歩いてガンガン稼いでほしい。
*週刊アサヒ芸能6月27日号掲載