中国の空港で日本人の乗り継ぎ失敗が続出の実態

 ヨーロッパや東南アジアなどに渡航する際、意外と多いのが中国乗り継ぎのルート。中華系航空会社は全般的に航空券が安く設定されていることに加え、日本から中国には25都市78路線(6月現在)が就航しており、フライト数が充実しているからだ。

「羽田や成田、関空といった主要空港だけでなく、全国16空港から飛んでいます。そのため、地方に住む方にとっては中国で乗り継いだほうが安くて便利なんです」(旅行誌編集者)

 しかし、最近はSNSで《次の便に間に合わなかった…》など乗り継ぎ失敗の事例が続出。注意喚起を促す動画やサイトも増えている。

 実は、中国国内での国際線の乗り継ぎは頻繁にルールが変わるため、他の国に比べると面倒で分かりにくい。利用航空会社や空港によって入国の要不要が異なるからだ。

「日本人客が多い上海の浦東国際空港は全区間を中国東方航空(※子会社の上海航空含む)、北京首都国際空港は中国国際航空利用で、それぞれ次のフライトの航空券を持っていれば原則入国不要です。しかし、異なる航空会社だとスターアライアンス系やワンワールド系など同じグループでも乗り継ぎが必要になることが多いので注意が必要です」(同)

 ただし、空港によっては到着便が沖止めでターミナルまでバス移動になることも多い。さらに乗り継ぎ客がチケットを提示する専用カウンターと保安検査場は、時間帯や時期によって大混雑することがあるという。

「実際、浦東国際空港は2時間あっても乗り遅れるケースが多発しています。また、フルキャリアながら格安運賃で人気の厦門(アモイ)航空の拠点である厦門空港は、乗り継ぎでも一度入国する必要がある。ただ、同社をはじめとする中国の航空会社は、乗り継ぎ客向けにホテルを無料で提供しているところが多く、日程に余裕があれば1泊してプチ観光するのもオススメです」(同)

 ホテル無料のサービスは嬉しいが、長い休みが取れない日本人には利用しにくい。ここは同じく地方空港からの便が多く、乗り継ぎ失敗も少ない桃園(台北)や仁川(韓国)経由を選択肢に入れて検討したほうがいいかも。

ライフ