いよいよ政府による定額減税がこの6月行われる。1人あたり所得税3万円、住民税1万円の合計4万円が減税されるが、電気・ガス料金の補助金の打ち切りや円安、物価高で国民生活はむしろ苦しくなる一方。そんな中、ジャーナリストの田原総一朗氏が5月31日深夜放送の討論番組「朝まで生テレビ!」(テレビ朝日系)に出演し、岸田文雄総理をバッサリと切り捨てた。
番組中盤、討論のテーマとなったのは若者の貧困問題。奨学金の返済や就職活動の早期化などが話題になると、経済ジャーナリストの荻原博子氏が「今の人って本当にがんじがらめで…」と私見を述べ、元内閣官房参与の藤井聡氏は「イカゲームの状況、若い子は」「椅子を増やしてあげないと」と訴えた。
その後、認定NPO「キッズドア」理事長の渡辺由美子氏が、「岸田総理が賃金を上げるって言って衝撃だったのは、『時給を1500円に上げる』って言うから、ヨシヨシと思ったら、『2030年までに1500円に上げる』って言うんで、くだけそうになって」と述べると、司会の田原氏はこう述べた。
「いや、岸田さんの言ってることは全部インチキで。今ね、少子高齢化の時代に減税なんかできるわけないんだよ」
減税は不可能とする見解には、スタジオ内ではすぐさま反対意見が出していたが、「岸田総理の発言は全部インチキ」と言った際には、スタジオは拍手喝采。笑い声も聞かれた。
「田原さんの“インチキ発言”で、番組はこの日いちばんの盛り上がりを見せました。たしかに、定額減税で1人4万円の減税が実施されますが、給与明細への記載義務が生じるなど、給与計算の現場では、煩雑な手続きが大不評を買っています。定額減税については『増税メガネのイメージ払しょく』『選挙対策』など自民党の意図が透けて見えることから、岸田政権の支持率は依然として低水準。また、くしくもこの6月から新たに森林環境税が課されることになりますし、岸田政権が必死に“恩恵アピール”をするなら、増税についてもきちんとアナウンスすべきでしょう」(メディア誌ライター)
果たして「定額減税」の恩恵はどれほどになるのか。政権支持率と合わせて注視したい。