違反居住者も! 急増する「トランクルーム」に潜む危うさ

 8月1日、全国にトランクルームを展開する「押し入れ産業」(本社=東京都港区)が、少量のものを保管するサービス「DEPOCO(デポコ)」を開始。これまで家財やオフィスの備品など大型のものを保管するサービスはあったが、こちらは100センチ四方の箱に収納し、セキュリティーの効いた部屋で保管してくれる個人をターゲットにしたものだ。
 
 それにしても、ここへ来て特に都市部ではトランクルームが急増しており、現在の市場規模は700億円、一説には2020年までに1000億円市場になるとの予測もあるほど。
 
 さるルポライターはこう言う。

「私も仕事上、扱う資料などが多いため、トランクルームに移して、そこで簡単な仕事をすることがよくあります。最近は外観も綺麗で室温管理など設備が充実しているところも増え、女性利用者も増えている。趣味専用のスペースや、オフシーズンの服や家電などの収納に使用する人も多いようです」

 東京都内で屋内型のトランクルームを利用する場合、その料金は1畳で月々1万4000円、3畳で3万5000円程度。0.5畳であれば8000円程度で、お父さんが家庭にはない自分のスペースを作れることを考えれば、手ごろな値段かもしれない。

 しかし一方で、トランクルームの普及には世相を映したこんな“闇”もある。

「敷金や礼金が必要ないために、場所によってはトランクルームに住んでいるケースもあります。そうした利用者の中には、非正規雇用者や何らかの理由で不動産屋と契約ができない人など、生活困窮者も多くいる。便利で設備が充実していても、いいことばかりではないのです」(社会部記者)

 大きな問題が起こらないことを祈るしかない。

(蓮見茂)

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