ネットに批判が殺到した「1円玉75枚で支払い」は本当に問題か?

 9月16日付の四国新聞に掲載された「1円玉の悲しみ」という投書が話題となっている。
 
 70代の投稿者がレジで75枚の1円玉で支払いをしようとしたところ、店員から拒否されたという内容になっているのだが、《まさに老害!》などと批判が殺到しているのだ。
 
「投書によれば、この老人は何千75円を支払う際に、端数をすべて1円玉で支払えないか店員に確認したところ、店員から『営業妨害になります』『小銭は20枚が限度で、それ以上は受け取れない』と突っぱねられ、『1円玉を集めての老人の買い物など、初めから彼らの了見に入っていないのだ』と嘆き、『2度と行かない』と憤っているのです」(ネットウオッチャー)

 この投書に対してネット上では、《店員だってそこまで暇じゃない》《この世代の人は未だにお客さまは神様と本気で思ってるから困る》《嫌がらせでしかない》など、当の老人に対する批判が相次いでしまった。
 
「投書に登場する店員の言う通り、『通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律』では、1回の支払いで使用できる同種の硬貨は20枚までと定められています。ただ、あくまで硬貨での支払いは20枚までにしましょうね、というくらいのニュアンスで、店員が拒否しなければ特に問題はありません。たとえば、レジに人が並んでいる状況や閉店作業中に75枚の硬貨で支払うのは迷惑行為になりますが、投書にある『閉店の10時には余裕があったが、広い店内には、わずか数人の客しかいない』というのが事実であれば、『営業妨害』に該当するほどのことでもない。もちろん、老人の行為は褒められたものではありませんが、店員もネット上の意見もそうですが、もう少し広い心で見ることも必要のように思いますね」(消費生活評論家)

 過剰なネット上での叩き行為も、褒められたものではない。

(小林洋三)

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