「町のパン屋」倒産が過去最多に!小麦と光熱費の高騰以外の“圧迫”とは

 東京商工リサーチが発表した「パン製造小売の倒産動向」の調査結果によると、2023年度のパン製造小売の倒産が過去最多となったという。要因としては原材料である小麦価格の高騰などが挙げられるが、他にも何かありそうだ。

「この調査によると、23年度のパン製造小売の倒産は37件。19年度にも29件が倒産し、町のパン屋が危ないと話題になりましたが、それを大きく上回る数字となっています。20年度、21年度にはコロナ禍のテイクアウト需要もあって倒産件数は10件台に落ちついていましたが、22年度には再び20件台に突入すると、23年度はそのおよそ倍と急激に倒産件数が跳ね上がったのです」(経済ジャーナリスト)

 パン屋の倒産が増えたのは、ウクライナ情勢による小麦価格の高騰や長引く円安を受けての物価高、さらには人件費やエネルギー価格の上昇等々によるコストアップで利益が圧迫されたことが大きい。また、高級食パン専門店「乃が美」が閉店ラッシュとなるなど、ここ数年続いていた高級食パンブームが急激に萎んだこともパン店の倒産急増に影響を与えているとみられている。

「それに加えて、朝食にパンを食べなくなった人も増えたこともパン屋さんには打撃になったのではないでしょうか。食MAPのデータによると、21年に入ってからパン食は減少し、逆に米飯類が増加傾向にあるのです。原因としては、コロナ禍を経たことで健康意識が高まったことで、脂質や糖質が多く、朝食べると血糖値の上昇を招きやすいパン食を控える人が増えたことが考えられます。食パンはバターやジャムを塗ることも多く、菓子パンや惣菜パンはさらに高カロリーですからね。一方で農林水産省の調査によると、そもそも『朝食を食べない』という人も増えている。朝に食べることが多かったパンから離れていった人が増えてしまったのです」(同)

 最近は「おにぎりブーム」の逆風もあり、しばらく町のパン屋さんは厳しい状況が続くかもしれない。

(小林洋三)

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