「いきなり!ステーキ」最大430円値上げ&オーダーカット廃止で失われる「創業時からの魅力」

「いきなり!ステーキ」を運営するペッパーフードサービスは、一部商品の原産国の見直しと価格改定などを発表した。いまだ厳しい経営状況が続く中、原材料費や人件費、エネルギー価格などの上昇を受けてのことだというが、「いきなり!ステーキらしさ」が失われるのではないかと危惧する声もある。

「価格の改定などは4月3日から実施され、大部分のメニューが値上げとなります。例えば、主に路面・ロードサイド店では、ワイルドステーキが150g1240円(以下、税込)から1390円に150円値上げされ、ワイルドハンバーグは150g840円から990円にこちらも150円の値上げ。最も大きく値上げされるのは特選ヒレステーキの300gで、4200円から4630円と430円も値上がりします。また、リブロースステーキは米国産から豪州産に見直され、米国産で提供していたトップリブやミドルリブは終売となるといいます。また、同チェーンの売りでもあった『オーダーカット』も廃止するというのです」(フードライター)

 もともといきなり!ステーキは、創業者の一瀬邦夫氏が「本物のステーキを低価格で提供する」というアイデアを、当時大人気となっていた「俺のフレンチ」のような立ち食い業態にすることを思いつき、「俺の株式会社」の坂本孝氏に許可を得て始めたのだった。そのため、当初は立ち食いで、食べたい量を1gからオーダーすることができ、本格ステーキを安価で食べられるとあって人気を博したのだった。

「一瀬氏は厳選した米国産牛肉を使用することにもこだわっていて、一時はステーキの本場、アメリカにも出店したほどでした。しかし、今回の値上げや原産国の見直し、さらにはオーダーカットの廃止によって、いきなり!ステーキの創業時からあった魅力が失われてしまうのではないかと見られています。新型コロナウイルスが5類に移行して多くの飲食店に客足が戻っていますが、いきなり!ステーキは、一時に比べれば回復傾向にあるものの、勝ち組にはなりきれていません。そんな中で、ではどうやって他のステーキチェーンと差別化していくのかという部分が明確になっておらず、いきなり!ステーキでなければ、という部分が薄れてしまうのではないか、という声が多いのです」(経営コンサルタント)

 今こそ創業時の「本物のステーキを低価格で提供する」というポリシーを貫いて欲しいものだが…。

(小林洋三)

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