「モペット」“原付バイク”扱い明確化の法改正でブームは急速に萎むか

 若者を中心に人気が高まるフル電動自転車「モペット」だが、道交法改正案によりモーターを止めた状態で走行しても原付バイクに該当することが明確化される。果たしてこれで交通違反は減少するのか。

 モペットは一見、電動アシスト自転車のようだが、電動モーターで自走することが可能。電源を入れれば原付として、ペダルを漕げば自転車となり、安いものでは数万円で購入できるため利用者が急増している。しかし一方、2023年に全国で摘発されたモペットの交通違反は345件にのぼり、今年1月にも都内で20代の男性が無免許で運転中、信号機を無視した上に70代の女性と接触。指の骨を折るなどのケガをさせた疑いで危険運転生涯の疑いにより書類送検されている。

 そもそもモペットは原付と同じ扱いになるのだが、電動アシスト自転車として販売されていることもある。道交法改正案でモーターを止めた状態でも原付扱いになることで、周知と摘発を徹底していくこととなる。

「改正案によって交通違反は減少するでしょうが、モペットの利用者自体も減少するのではないでしょうか。原付と同じ扱いということは、免許の携帯やヘルメットの着用、ナンバープレートの装着も必須。ナンバープレートを付けるということは自賠責保険にも加入しなければならず、ヘッドライト、ウインカーなども装備が必要となります。もちろん、歩道や自転車専用道路での走行も禁止になるた、め、手軽さやスタイリッシュさは完全に失われることになる。モペット熱が冷める可能性は大いにあります」(モータージャーナリスト)

 ただ、少々遅すぎの感もある法改正だ。

(小林洋三)

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