衣・食・住全てが安い!総務省データで浮かび上がる「最も懐に優しい大都市」

 出張先としてだけでなく、移住先としても人気の福岡市。大都市でありながら東京や大阪に比べると街がコンパクトにまとまっており、周辺には自然も多くて空港にも近い。

 大東建託が昨年発表した「いい部屋ネット 住みたい街ランキング2023 <全国版>」でも1位だったが、重要なのはその地域の物価。そこで22年の総務省「消費者物価地域差指数」(以下、物価指数)を調べると、どうやら福岡人気を裏付けるに十分な結果があることが判明したのだ。

 都道府県の県庁所在地に政令指定都市を加えた全国52都市のうち、福岡市の総合物価指数は全国平均(100)を大きく下回る97.8。これはもっとも高い1位の東京都区部の105.5から7.7ポイント差の47位で、人口100万人以上の都市の中ではダントツに低い。

「同じ福岡県内の北九州市(98.2)をはじめ、いかにも物価の安そうなイメージのある山陰の鳥取市(97.9)、福岡市の通勤圏でもある佐賀市(同)よりも物価が安い“コスパのいい街”と言えます」(経済誌記者)

 物価指数は全部で10項目あるが、福岡市が全国平均を上回るのは「保険・医療」(100.3)のみ。なかでも「食料」(97.4)、「住宅」(89.5)、「被服及び履物」(96.3)と、衣・食・住すべてが安いのだ。

「福岡市の人口密度は4790人/㎡。首都圏なら埼玉県所沢市、関西圏なら大阪府高石市とほぼ同じレベルです。しかも、福岡市でも西部にある西区は2536人/㎡、早良区は2339人/㎡(※いずれも2月1日現在)で、まだ土地に余裕がある。食料は近県から賄うことが可能で輸送費が抑えられ、衣料品も同様で、それに加えて店が多いことによる価格競争などが挙げられます」(前出・記者)

 田舎暮らしまでは望んでいないけど、適度に便利な地方都市でのんびり暮らしたい――。そんな人にとって懐にも優しい福岡市は、ある意味理想的な移住先と言えそうだ。

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