平均年齢38歳、3人に1人は女性…ヤバすぎる「腹上死」の現実

 男女の営み中や行為後に心筋梗塞などで亡くなる腹上死。一般的には中高年男性に多いと考えられているが、22年1月に米国医師会の学術誌「JAMA Cardiology」に論文を掲載した英ロンドン大学セント・ジョージ校の研究チームが興味深いデータを公表している。

 同大学心臓病理学センターにおける16年間の突然死の患者数6874人中、いわゆる腹上死は全体の約0.25%にあたる17人。他の統計でも0コンマ数%というデータがあり、これ自体には問題ないが気になったのは男女の内訳だ。

 17人中男性11人に対し、女性がなんと6人と3分の1を占めていたのだ。

「心筋梗塞の死亡率には男女差があり、若いほどその差は大きく、90代でほぼ同じになることが分かっています。そのため、腹上死=男性特有のものというのは大きな誤解です。特に女性の腹上死では、血管内に空気が入ってしまう空気塞栓による心筋梗塞の事例が複数報告されており、何らかの拍子に女性器の小さな傷口などから空気が入った可能性が考えられます」(医療専門誌記者)

 また、この研究データによると、腹上死で亡くなった方の平均年齢は38歳と思った以上に若い。そもそも心筋梗塞は加齢に伴い死亡率が高くなり、男性は40代以降、女性は閉経後の50代以降に一気に上昇する。それを考えると、意外な結果という印象があるのも事実だ。

「ただ、この論文には同じ心筋梗塞でも亡くなった方の詳細な病名の内訳があり、17人中9名が不整脈。実際、年齢に関係なく起こりうる可能性があり、突然死という広い括りで捉えれば若い方でも不整脈で命を落としている方が一定数います」(前出・記者)

 万が一、腹上死となれば残された者は泣くに泣けないし、相手が妻や恋人以外の女性であれば問題はさらに複雑になる。とりあえず、健康に自信があっても不整脈がないか心電図検査くらいは受けておいたほうがよさそうだ。

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