本塁打よりも打点重視か、“3番・大谷翔平”に立ちふさがるスタジアムの壁

 ホームランキングよりも、打点王? ドジャースのデーブ・ロバーツ監督が2月4日(現地時間)、米ロサンゼルス近郊のマンハッタンビーチで行われたチャリティイベントに参加し、大谷翔平がすでにキャンプ地・アリゾナで打撃練習を再開させたことを明かしていた。

「前日3日に行われたファンフェスタで、今季の大谷は3番でスタートさせる構想も明かしています」(現地メディア)

 エンゼルス時代は主に2番を務めてきた。強力で出塁率も高いドジャース打線の3番に入ることで、大谷は打点王のタイトルも狙えるかもしれない。しかし、2年連続での本塁打王タイトルに関しては、「やってみなければ分からない」の状況だ。というのも、新たな本拠地となるドジャー・スタジアムの球場形態が、大谷に適しているのかどうか本当に分からないからだ。

「同球場の両翼は約101メートル。エンゼル・スタジアムよりも5.6メートル短くなりますが、右中間、左右間が深いんです。右中間のフェンスは約4メートルも後ろに造られています」(前出・同)

 大谷の昨季の44本塁打のうち、センター方向は23本、ライト方向には17本が放たれている。また、ドジャー・スタジアムはホームランが出にくいとも紹介されているが、昨季のチーム本塁打238本は球場別では4番目に多い。それでも「出にくい」と言われるのは、センター方向から吹き込んでくる風が影響しているため。センター方向にもっとも多くホームランを放った大谷にとっては難敵になりそうだ。

「打順別で見ると、3番で放った本塁打は17本。2番では26本を打ちました。44本のうち、ソロホームランが24本でした」(米国人ライター)

 ドジャースの強力打線の一員になるので、得点圏に走者を置いた場面での打席もかなり増えるだろう。ホームラン量産とは行かないかもしれないが、打点は稼げる。外野エリアの広い球場なので、野手の間を抜く二塁打、三塁打は増えるはずだ。

 右方向に引っ張ることを意識すれば、本塁打王争いに影響はない。しかし、センター方向への飛球が多いままなら、強風に押し返されてしまう。大谷は本塁打と打点のどちらを意識してやっていくのだろうか。

(飯山満/スポーツライター)

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