「田中希実さんはライバルではないです」
これは、1月18日に中京テレビのYouTubeチャンネル〈中京テレビスポーツ【公式】〉に出演した陸上女子・山本有真のコメントだ。
山本は、女子駅伝の名門・名城大学を昨年春に卒業して積水化学入りした。同年7月にタイのバンコクで開催された「第25回アジア選手権」の女子5000mで日本勢初となる優勝を飾った。また、11月26日に開催された女子駅伝実業団日本一を決する「クイーンズ駅伝in宮城」では2区で区間賞を獲得し、積水化学を2年ぶり2度目の優勝に導いている。
彼女の活躍は今年に入っても衰えを知らない。1月14日に行われた「全国都道府県対抗女子駅伝」では、愛知県代表として出場し、スター選手ひしめく2区の中で区間2位。12人抜きの力走を見せた。
ただ、同区間では実力者・田中希実が19人抜きで貫禄の区間賞を獲得している。
山本にとって田中はライバルというのが衆目の一致するところだが、山本はそうは思っていないようだ。彼女は冒頭のYouTubeでこう述べている。
「田中希実さんは陸上の先生みたいな感じなんですよ。いろんなことを教えてくれるし、相談もたくさん乗ってくれる。田中さんが5000m女子日本記録14分29秒出してくれたおかげで、自分たちも14分台を出したいとか、14分台を出せるんじゃないかっていう希望を与えてくれているので」
田中が、14分29秒18の日本記録を樹立したのは、昨年9月8日、ベルギーのブリュッセルで行われた「ダイヤモンドリーグ」。それまでの記録は、廣中璃梨佳の14分52秒84であり、大幅な更新だった。一方の山本のこれまでの記録は15分16秒71。
まずは2月にイランのテヘランで開催される「アジア室内陸上競技選手権大会」3000mで3位以内を狙い、パリ五輪日本代表入りを視野に入れると山本は意欲を語った。
山本はまた、「目標は高すぎると空回りするので」と謙遜気味に語ったが、いっそ田中を超えるほどの活躍を見せて欲しいものだ。
(所ひで/ユーチューブライター)