楽天イーグルスの安楽智大投手(27)が保留者名簿から外れ、自由契約となったのは既報通り。パワハラ行為については、「被害者10人、目撃者など約40人」。森井誠之球団社長によれば、聞き取り調査の席上で何度も謝罪の言葉があったとのことだが、事実上のクビと見ていいだろう。
「意味深だったのは、森井社長の『サポートはしていきます』のコメントです。再来年、再び契約するとか、NPBの他球団に陰で獲得をお願いするなどの憶測も出ています」(スポーツ紙記者)
その「サポート」について、新たな情報も出始めた。その言葉通りに受け止めるとすれば、“再就職”だろう。
楽天グループはもう一つ球団を持っている。“サポート先”は、台湾リーグの楽天モンキーズではないか、と。現地メディアのスタッフがこう言う。
「来季、モンキーズの監督はNPB出身の古久保健二氏が務めることが決まりました。投手コーチもイーグルスOBの川岸強さんが務めており、監督、投手コーチがイーグルスの関係者という体制に決まりました」
古久保新監督は、16年から3季、イーグルスのバッテリーコーチを務めてきた。川岸コーチは12年引退なので、14年ドラフト1位の安楽とはプレー期間が被っていないが、その後、イーグルスのスタッフとして勤務していた時期もあるので、知らない仲ではない。
「24年は謹慎、25年にイーグルスと再契約する説」も聞かれたが、10人もの被害者が復帰を許すとは思えない。NPBの他球団に行くにしても、新天地のファンが再起を許すかどうかも分からないので、他11球団は声を掛けにくいのではないだろうか。過去、事件やトラブルを起こし、謝罪と再起の場を与えられた選手はいたが…。
「台湾球界では各球団のチアガールが有名で、日本球界やメジャーリーグにも出張するほど人気も高まっています。ただし、球場施設は日本ほど整備が行き届いていないところもあります」(前出・現地メディアスタッフ)
厳しい環境でやり直すのも一手かもしれない。3年連続で50試合以上に登板したタフネス右腕の取るべき行動は、被害選手と球団、関係企業、そしてファンへの謝罪だろう。
(飯山満/スポーツライター)