学校教材メーカーが「小児性愛コンテンツ」に便乗して炎上するまでの不適切すぎる顛末

 学校教材や教育玩具、子供向け防犯グッズなどを製造・販売する「株式会社アーテック」が同社の公式SNSで、9歳の女の子という設定のVTuberのミュージックビデオ(MV)を紹介し、《あまりに不適切すぎる》と批判が殺到。公式サイトで謝罪する事態となった。

 9月29日、アーテック公式X(旧Twitter)はVTuberしぐれういのMVをリポストして、「あれ、、この黄色くて 水色のストラップの防犯ブザーは……!!」と投稿。さらに、公式YouTubeでもしぐれういのMVを社員が鑑賞して「この防犯ブザー弊社のでは・・・」とコメントする動画をアップした。

 しぐれういのMVは9月10日にYouTubeで公開されるとVTuber史上最速で1000万再生を突破し、現在は1900万再生を超える人気作品となっている。TikTokでは「踊ってみた」動画が数多く投稿されるなど旋風を巻き起こしているのだが、9歳となったしぐれういが小児愛の強いお兄ちゃんお姉ちゃんを罵倒するという内容で、歌詞には「触ったら逮捕」や「もう希望もない ゴミだおめーら」といった表現も含まれている。

 この作品のMVの中で、しぐれういが防犯ブザーを引き抜いて鳴らそうとする描写が複数回出てくるのだが、そのブザーがアーテックの「防犯ブザーレモンII」をモデルにしてるのではないかと同社のSNS担当者はアピールしたわけだ。しかし、投稿直後から批判が殺到すると、10月2日にアーテックは公式サイトに「投稿をご覧になった皆様、そして弊社製品をご愛顧くださる皆様に、大変ご不快な思いをおかけいたしましたことを深くお詫び申し上げます」と謝罪文を掲載したのだった。

「ネット上で大バズリしているMVに自社の製品と思われるものが使われていることで、周りに宣伝したくなってしまったのかもしれませんが、子供用品を扱う企業の公式アカウントが小児性愛をネタにしたMVをリポストするのは、ちょっと理解できませんね。特に、今はジャニーズ事務所問題が連日のように報道され、小児性愛や性加害が社会問題ともなっていますから、この時期にこんな投稿をしたら問題になるに決まっていますし、さすがに意識が低すぎると言わざるを得ません」(フリージャーナリスト)

 なお、アーテックは今後、従業員への指導と教育の徹底を行い、「細心の注意を払ってアカウントの運営を行ってまいります」としている。

(小林洋三)

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