米ノースカロライナ州の男性が、Googleマップが示すルートに従って運転をしていたところ、崩落した橋の上を案内され、川に転落して死亡したとして遺族がグーグルを提訴していたことが明らかになった。この橋は9年前に崩落しており、複数のユーザーがグーグルに報告していたが、ルート情報は更新されなかったという。
「亡くなったのは医療機関のセールスマンをしていたフィリップ・パクソン氏で、当日は娘の誕生パーティーがあり、会場の片付けをしてから1人で帰宅したといいます。引っ越ししてきたばかりで土地勘もなく、雨も降る中で、Googleマップだけを頼りに運転していましたが、崩落した橋から真っ逆さまに転落して川で溺死してしまったのです。崩落した橋は管理していた会社が解散してしまったため、長年に渡って放置されたままで、地元住民からも危険性を指摘されていたといいます」(社会部記者)
この訴訟が明らかになると、ネット上ではGoogleマップで危険な道を案内されたり、誤った情報が修正されずに残っているといった報告が相次いだ。グーグルでは、マップの間違いに関する報告を常に受け付けており、追加や修正といった対応を行っているが、店や建物の間違いは比較的早く修正される一方で、道路や橋などについては報告してもなかなか修正されないといった意見も寄せられている。
「Googleマップは間違いも多く、車が通れるか通れないかの狭い道が案内されることもある。ただ、Googleマップは無料で提供されているにも関わらず、有料地図アプリと比べても精度に遜色がなく、使いやすいと言われます。最近は、Appleの純正マップも精度が上がってきましたが、Googleマップに比べればまだまだと言わざるを得ないでしょう」(ITジャーナリスト)
地図アプリの中で利用率が8割を占めるというGoogleマップ。それだけに、より精度の高い中身が求められるのだろう。
(小林洋三)