米軍撤退から間もなく2年…アフガニスタンのヤバすぎる現実

 民主国家としての道を歩み始めるも21年8月、イスラム原理主義組織タリバンの攻勢の前に首都カブールが陥落。政権が崩壊し、米軍をはじめとする多国籍軍が撤退したアフガニスタン。

 当時の模様はメディアで連日大きく報じられたが、それ以降は同国に関するニュースが取り上げられる機会は少ない。あれから間もなく2年を迎えようとしているが、かつての暗黒時代へと逆戻りしていた。
 
 撤退前まで支援活動を続け、今も現地の協力者と連絡を取り合っているNGO関係者は次のように語る。

「特に女性の就労や教育の機会が大きく制限され、社会的自立が困難な状況です。昨年3月には中学・高校、12月には大学での女子学生の教育停止を通達。通うのを認められているのは小学校のみとなっています」(NGO関係者)

 また、女性が45マイル(約72キロ)以上離れた場所に出かける際は、親族男性の同伴を義務づける新法を制定。さらに公園やスポーツクラブといった複数の施設にも女性の立ち入りは禁止されている。

「しかも、外出時には黒い布で目と手足の先以外を全て覆い隠す伝統的な民族衣装のアバヤの着用が求められています。以前のような自由な服装で外出すれば即逮捕となります」(同)

 デモなどの抗議活動が行われても治安当局に鎮圧され、参加者は次々と身柄を拘束。拷問も横行し、なかには処刑となったケースも。しかも、現政府は密告を奨励しており、たとえ友人同士や親・兄弟であっても本心を打ち明けることができなくなっているという。

「そのため、隣国のイランやパキスタンへの密出国が後を絶たず、多数のブローカーが暗躍。5月にイランとの国境地帯で双方の治安部隊が衝突し、死者も出ています」(同)

 タリバン政権がほぼ全土を掌握しており、現体制の長期化は必至。自由を求めて母国を脱出する人々が今後も増えることになりそうだ。

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