芸人に多い思春期の「ひきこもり」 千原ジュニアはどう脱したのか?

 およそ10年前、お笑いコンビ・髭男爵の一発ギャグ「ルネッサ〜ンス!」があらゆる宴席で禁止になった。グラスが割れる事態が相次いだからだ。それほどまでに、当時の髭男爵の人気はすごかった。ところがブームが過ぎ去ると、仕事が激減。営業の仕事で食いつないだ。

 山田ルイ53世が中学生時代、ひきこもりだったことを明かしたのは、そんなときに上梓した著書「ヒキコモリ漂流記」(15年)だ。昨年には「一発屋芸人列伝」を出版。編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞作品賞を受賞し、本屋大賞ノンフィクション本大賞にノミネートされた。

「山田さんは中学2年の夏、登校途中に“大”を漏らしたことで、ひきこもりになってしまいました。いわゆる進学校に通っていて、勉強もスポーツもできた神童。ですがおよそ6年間、学校との交流を絶ちました。ひきこもりを脱出したのは20歳ごろ。テレビで同世代が成人式ではしゃいでいる姿を見て、社会復帰したそうです」(週刊誌記者)

 笑いを届ける芸人のなかには、山田と同じく、学生時代を孤独な部屋で過ごした者が少なくない。同様に自著で明かしているのは、千原兄弟・千原ジュニアだ。

「明るすぎる兄・せいじさんと真逆のジュニアさんは、お受験で合格した中高一貫の私立中学に通ったはいいが、友達ができず、だんだん休みがちになってしまったそうです。14歳からおよそ300日、部屋にこもりました。社会に出るきっかけは、せいじさん。彼が学校を中退させて、吉本興業が運営するお笑い養成所に一緒に通い、芸人にしたのです」(前出・週刊誌記者)

 ジュニアは不登校時代の詳細を、07年に出版した「14歳」で明かしている。

 意外なところでは、チュートリアル・徳井義実もひきこもり経験者だ。

 “よしもと男前ランキング”で03年から05年まで連続首位をキープして、初代のロンドンブーツ1号2号・田村亮に続いて、殿堂入りを果たした徳井。モデル経験があるほど、抜群のルックスだ。しかし、いじめが原因で、小学5年生のときに「急にしゃべってくれなくなった」ため、およそ半年、学校を休んでいる。

 芸人には“営業”だけではない、“闇”の過去もあるようだ。

(北村ともこ)

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