トランプ氏が世界要人とのマル秘書簡を出版!金正恩の手紙の気になる中身とは?

 狙いは選挙前の話題作りか、あるいは自身の大物ぶりをアピールしたいのか…。トランプ前米大統領がまたもや突飛な行動に出た。なんでも、世界の要人の暴露本を来月発売するというのだ。

 書籍のタイトルは「Letters to Trump(トランプへの手紙)」。その名の通り内容は、同氏が世界各国の有力者から受け取った手紙150通以上を集めたものだという。

 米国在住のジャーナリストによれば、発行元はトランプ氏の長男ドナルド・ジュニア氏が共同創業者として名を連ねるウィニング・チーム・パブリッシングという出版社で、

「具体的には、過去40年の間にトランプ氏と世界の要人がやり取りをした書簡に、自身の解説を添えたもので、320ページという分厚いもの。トランプ氏は財界人だったころから、とにかく有名人好きで、幅広い人脈を持っていましたが、一方、筆まめな人物としても知られる存在だった。著書には、ニクソンやレーガン元大統領をはじめ、マイケル・ジャクソン、クリント・イーストウッドといった芸能人や、エリザベス英女王からの私書も含まれているとされ、価格は通常版が99ドル(約1万3500円)、サイン入りはなんと399ドル(約5万4000円)で、発売は4月25日を予定しているようです」(米国在住ジャーナリスト)

 むろん、書簡とはいえ、私書であれば相手側に許可なく公開することはプライバシー上の問題が生じるだろう。だが、そこは怖いもの知らずのトランプ氏のこと。訴訟騒ぎになろうが逆に打ち上げる花火は大きいほうがいい、といったところなのかもしれない。

 ただ、実はこの書簡の中には中国の習近平国家主席からの手紙のほか、北朝鮮の金正恩総書記との未公開書簡も含まれているとされ、バイデン政権中枢の政府関係者も注視していると言われる。

「トランプ氏と正恩氏とは2018年から翌年にかけ3回にわたり米朝首脳会談を行っていますが、前後に2人は頻繁に書簡のやりとりをしていました。トランプ氏自身がツイッターなどで公表したものや、報道によって明らかになったものもありますが、それらはわずか4通のみ。その後、ピュリツァー賞に2度輝いたアメリカのジャーナリスト、ボブ・ウッドワード氏が往復書簡27通の存在を明らかにしました」(前出・ジャーナリスト)

 この27通については、昨年、「クローズアップ現代」(NHK)によって全文が検証され、話題となったのは記憶に新しい。ところが、今回のトランプ氏の書籍では、それ以外の書簡が公開されるのではないかと言われているのだ。

「27通以外の書簡がいつ、どの段階で書かれたか、そしてもちろんその内容によっては、北朝鮮や正恩氏に関する新たな事実が明かされる可能性もある。つまり、機密文書としての価値も非常に高いということです」(前出・ジャーナリスト)

 現在明らかになっている両者の最後の手紙のやり取りは2019年8月5日のもの。その中で正恩氏はトランプ氏に対し、「私はあなたとの信頼関係を維持するために、責任をもって、できるかぎりのことをしました。しかし、それに対し閣下は何をされましたか(中略)もしもアメリカが、圧力と対話によって我が国に対する政策に成功したと自己評価しているのであれば、それは大きな間違いです」と記している。

 以後、アメリカと北朝鮮の対話はなされていない。硬直化した状態の両国の行方を世界が注視する中、トランプ氏が書籍に収めたかもしれない「新たな書簡」が注目されるのだ。

(灯倫太郎)

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