性的少数者に対する差別発言で、荒井勝喜前総理秘書官が更迭され、岸田総理自身も2月1日の国会答弁で同性婚について「社会が変わってしまう課題」と発言していたことから、野党の厳しい追及を受けている。
2月9日放送の「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)では、前日8日の衆院予算委員会のやりとりを紹介。「社会が変わってしまう課題」と発言したことに対して、岸田総理は「同性婚制度の導入は、国民生活の基本に関わる問題であり、国民一人ひとりの家族観とも密接に関わるもの」としたうえで、けっしてネガティブな発言ではなかったと答弁した。
さらに岸田総理は性的少数者に対する考え方として、「私自身もニューヨークにおいて小学校時代、マイノリティーとして過ごした。また、これまでお会いした、『女性だから』『高齢者だから』『LGBTだから』という理由でその役割や能力を十分に発揮できなかった方々の思いが土台になっている」と発言していた。
スタジオではこれらの発言をパネルで紹介。岸田総理自身も小学生時代は“マイノリティー”だったとする釈明に、政治ジャーナリストの細川隆三氏は「小学生の時にニューヨークにいて、マイノリティーとして過ごした。ご自身の経験をお話されたんでしょうけれども、その話を持ちだすのと、LGBTで悩んでる方の立場を考えた時…。僕にはよくわからなかったですね」とコメント。MCの羽鳥慎一アナは「(ニューヨークでは)アジア人が少なかったっていう意味合い?」と述べるも、細川氏は「それとLGBTの方々の苦悩とは、ぜんぜん違う話だと思うんですよね」とバッサリ。
社会活動家の石山アンジュ氏も「本当にレベルが違う話だと思いますよ」として、「差別ということだけじゃなくて、同性婚が認められないというのは、結婚する権利がないわけですから、それをマイノリティーとして感じたということと、制度として人権が認められないことは全くレベルが違う話だと思います」とコメントした。
「確かに岸田総理がニューヨークでマイノリティーだったというエピソードを持ち出して釈明するのはまさにレベルが違う話でしょう。むしろ、エリート官僚だった父親の仕事の関係で、ニューヨークで小学生時代を過ごしたというエピソードは上級国民ならでは。『ぜんぜん違う話』『レベルが違う』と切り捨てられて当然でしょう。ネット上でも《意味不明の釈明》《次元の違う話》《やはりズレている》などと、異次元の釈明としてツッコミの対象になっています」(フリージャーナリスト)
小学生時代に“マイノリティー”として過ごした経験を政治に活かしてほしいものだが…。