ZOZO前澤社長がハマる「ネットビジネスが陥りがちなワナ」とは?

 剛力彩芽との交際や月旅行への挑戦など、本業以外でなにかと世間を騒がせているZOZOの前澤友作社長。2月7日にはツイッターをしばらく休止すると宣言したことでも注目を集めている。

 その一方で前澤氏はZOZOのビジネスに関する発信も多く、ZOZOTOWNを日本有数の通販サイトに成長させた手腕を高く評価する声も多い。だが最近のツイートではいくつかの迷走を見せていたという。

 2月6日には、「ファッションECの本当の理想は、お客様が好きなブランド・デザイン・サイズ・カラー・素材などを選んでポチっと注文すると、すぐに工場で生産されて翌日には届く、という超シンプルなもの」とツイート。いわゆるオンデマンド生産のことを指しており、同日の他のツイートでは解決したい課題として「1億総オーダーメイド化」を挙げていた。このツイートについて週刊誌記者が指摘する。

「このアイデアは通販サイトのみならず、動画配信サイトや旅行サイトといったBtoC(消費者向けビジネス)でよく言われること。しかしこの“1億総オーダーメイド化”こそが、ネットビジネスの陥りがちなワナなのです。この手法では『消費者は自分の欲しいものを最初から知っている』という前提が必要。たしかにそういう消費者もいるでしょうが、実際にはほとんどの消費者は大量の商品ラインアップを目にしてから、欲しくなるものを見つけていきます。それゆえ店舗ごとに商品のバリエーションが異なっており、ウインドーショッピング自体を楽しむ顧客の多いアパレル業界では、ネットビジネス化が遅れているのも当然なのです」

 そして「1億総オーダーメイド化」が進むほど、ZOZOにとってはむしろ逆風になるというのだ。

「いま世界のアパレル業界でトップ集団にいるのはZARAやH&M、ユニクロ、GAPといったブランド。これらの企業では、商品の企画・生産から物流・小売りまでを一気通貫で提供するSPA(製造小売業)の形態を取っており、商品の提供サイクルを早めることで、オーダーメイド化に近い購買体験を提供可能です。それに対してZOZOは自社ブランドも始めたといえ、本業はあくまでECモールですから、取引先との関係を考えると自社の服ばかりを売るわけにもいかない。つまり現状の業態である限り、前澤氏の理想に近づくのはそもそも無理なのです」(前出・週刊誌記者)

 総オーダーメイド化の第一歩であった「ZOZOSUIT」については、ユニクロの柳井正社長から“おもちゃ”と批判されていた。その声を払しょくして、理想に近づけるのか。前澤氏の本業回帰に注目が集まるところだ。

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