1月13日、低価格ヘアカット専門の「QBハウス」が4月1日からカット料金を150円値上げし、1350円に改定すると発表した。同店は当初の1000円から2014年には1080円に、19年には1200円に消費増税とともに値上げしていたが、今回が最も値上げ幅が大きく、利用者からは悲鳴が上がっている。
「運営するキュービーネットホールディングスによると、今回の値上げは物価高やエネルギー価格の高騰などが原因ではなく、理美容業界で採用活動における競争が激しくなっていることが原因としている。理美容師の働く環境のさらなる改善やこれまで以上に人材育成に投資する必要があると判断し、今回の値上げを決めたといいます」(社会部記者)
QBハウスには昨年、批判が殺到する事態が起きている。採用されたスタッフが受け取る「QBスタッフ採用書」に雇用主の名前や連絡先も書かれておらず、ローンの手続きで会社の証明書が必要になったスタッフが確認したところ、雇用主はQB本社ではなく、エリアマネージャーになっていることが発覚。これに「雇用責任逃れではないか」との指摘が飛び交った。
「その騒動が、今回の値上げに影響していると見られています。ただ、なるべく低価格でカットを済ませたいという人にとって今回の値上げは衝撃的だったようで、ネット上には客離れを懸念する声も上がっています。ただ、19年に値上げした際にも同様の声はあったものの、結局は既存店売上高は大幅に上昇していましたからね。加えて現在はどの業界でも値上がりが進んでいるので、今回のQBハウスの値上げ幅であれば、そこまで大きな客離れはないと考えられます。しかし最近では、美容専門学校の学生やアシスタントがカットを担当する『500円カット』の店も登場していることから、競争は激しくなるでしょうね」(フリージャーナリスト)
理美容師のための値上げであるなら、致し方ないだろう。
(小林洋三)