ロンドンで新型テロ発生! 標的はあの世界的名画だった

 19世紀後半を代表する画家の一人であるゴッホ。没後に高く評価されたことで知られ、「夜のカフェテラス」や「自画像」などとともに代表作として有名なのが「ひまわり」。
 
 バブル真っただ中の1987年、安田火災海上保険(現・損保ジャパン日本興亜)が当時の史上最高額53億円で落札して話題となったが、そんなゴッホの代名詞と呼ぶべき世界的名画を狙ったテロが14日に発生した。
 
 現場はロンドンの中心地、トラファルガー広場にある「ナショナル・ギャラリー」。ただし、犯行に使われたのは爆弾ではなく、市販のトマトスープ缶。なんと中身が絵にぶちまけられ、作品が真っ赤に染まってしまったのだ。

 犯人は「JUST STOP OIL」と書かれたTシャツを着た女性2人組。これは彼女たちが所属する環境団体で、イギリス政府が進める化石燃料に関するあらゆるプロジェクトの停止を求めて行った抗議活動の一環だという。

「現地では過激な抗議デモを行う組織として知られています。彼らは16日にも犯行に及び、今度は同じロンドン市内にある高級自動車メーカー『アストンマーチン』のショールームにオレンジ色の塗料をかけています」(情報誌記者)

 あまり知られていないがゴッホの「ひまわり」は全部で7作品あり、被害に遭ったのは損保ジャパン所有の作品とは別物。しかし、今回の事件は“新型テロ”として世界中で大きく取り上げられた。

「ひまわりの絵画はガラスで覆われていたため作品自体は無傷で、いまも元通りに展示されています。ただし、彼らのようなエコテロリズムは、人命を奪うテロと違って社会からの反発も少ないため、新手の抗議活動として今後は芸術作品が標的になるかもしれません。さらに既存のテロ組織が手口を真似る可能性もあるでしょうね」(同)

 世間に訴えたいなら作品を傷つけるのではなく、バンクシーのようにメッセージを込めた作品を世に発表するほうがよっぽど健全だと思うが…。

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