元総務相で実業家の竹中平蔵氏(71)が9月18日放送の「そこまで言って委員会NP」(読売テレビ)に出演。連日取り沙汰される旧統一教会と政治家との関わりについて持論を語った。
番組では旧統一教会と閣僚らの関わりが指摘されている問題について、8月31日の会見で岸田総理が「自民党の国会議員はしがらみを捨て、旧統一教会との関係を断つことを党の基本方針として徹底する」と発言したことを取り上げた。番組に出演したパネリスト陣は「政治家と旧統一教会の関係」は「断ち切れる」派と「断ち切れない」派に分かれ、徹底討論に。その中で、「断ち切れない」派として意見した竹中氏の発言が話題となっている。
竹中氏は「あのね、今起こっていることは単純化して言うとね、『旧統一教会というのは悪い集団である』と、で、『そこに何らかの形で関わった人はみんな悪い政治家である』ということですけども。これね、もの凄い、法治国家としてありえない議論だと思うんですよ」とバッサリ。さらに「おっしゃるように宗教の自由があって、宗教やりながら政治活動やるのは自由ですよ。メルケルさんはキリスト教民主同盟だったし。日本には創価学会、公明党っていうのもある。宗教の自由、信仰の自由と政治の自由っていうのはちゃんと守らないといけないわけですよね」と、例をあげながら力説した。
続けて竹中氏は「じゃあ旧統一教会が本当に悪いのかと。例えば、『刑法に違反してますね』『消費者なんとか法に違反してますよね』…それはそれで取り締まったらいいんだけども、この教会そのものが悪いかどうかというのを認定する仕組みが、この社会にはないんですよ。これを突き詰めてやるならばね、ワイドショーでね、統一教会がなんかもう悪いものだということを大前提にしてますけどね、そこまで議論するんだったら反セクト法を作るしかないんですよ」と、提案した。
反セクト法とは、2001年に制定されたフランスの法制度で、政府がセクトと分類した団体による社会に危害を及ぼす組織的な行為を罰する法律だ。竹中氏は反セクト法について解説した上で「これは政治が『この宗教は良い』『この宗教は悪い』ということですから、ものすごい政治の宗教に対する介入になるわけで。だからフランスでも大論争があって。で、『そういうのを作ってこなかった政府が悪い』という議論なら分かるんだけども、とにかくいろんなことを積み重ねて、印象も積み重ねて、週刊誌も積み重ねて、『これが悪い集団だからこれと関わっている人は悪い』って、こんなの法治国家の議論じゃないですよ」と、現在のマスコミの報道姿勢や議論の在り方を批判した。
一連の発言は放送後ネット上で大きな話題となり、《竹中さんこれは正論。政府が決断できるかだな》《コロナもだけどこの問題もマスコミが煽りすぎ。中身のない議論ばかりだと思ってた》という共感の声もあれば、《関わりのあった政治家を擁護してんのか?メディアで批判されるのは当然だろ》と批判の声もあがっている。
「セクト」とされる団体の定義付けの難しさが課題にあがっているが、「検討」が口癖の岸田内閣が取り掛かるのはまだまだ先かもしれない。
(浜野ふみ)