国立社会保障・人口問題研究所は9月9日、2021年版「出生動向基本調査」の結果を公表し、「一生結婚するつもりはない」と考える男女がおよそ15%と過去最高となったことが明らかになった。なぜ、結婚に夢や希望を感じる人は少なくなってしまったのだろうか?
同調査は原則的に5年に1度実施されるもので、昨年6月に18歳から34歳の未婚の男女7826人に調査を実施。「一生結婚するつもりはない」と答えた男性は17.3%、女性は14.6%と過去最高を記録した。この質問を始めた1982年では男性は2.3%、女性は4.1%だったのに対し、結婚願望がない未婚の男女は大幅に増加している。
また、異性の交際相手がいると答えた男性は21.1%、女性は27.8%とこちらは減少傾向にあり、研究所の担当者は「コロナによる生活スタイルなどの変化が影響しているのでは」と推測している。ちなみに、今年6月に発表された令和4年版「男女共同参画白書」によると、20代男性の約4割がこれまでデートした人数が0人と回答していることが明らかになっている。もはや結婚どころか異性にすら興味を失ってしまったとでもいうのだろうか。
「結婚願望がない男女が増えたのも恋人がいる男女が減ったのも00年代以降からで、決してコロナは大きな原因ではないでしょう。ということは、やはり娯楽や考え方の多様化が原因ではないでしょうか。今や、趣味も外食も旅行だってひとりで自由に楽しめる時代ですから、恋人を作ったり、結婚して自由に使えるお金を減らしてしまったり、時間を拘束されることをリスクと考える若者も多いといいます。これからさらに『一生結婚するつもりはない』男女は増加していくのではないでしょうか」(結婚アドバイザー)
日本はますます少子高齢化が進みそうだ。
(小林洋三)