本拠地17連勝!勝因の1つは三浦監督の「暑さ対策」

 横浜DeNAベイスターズの猛追撃である。首位・東京ヤクルトとのゲーム差を「4」とし、7月3日時点で「17.5」も開いていた勝差を一気に縮めた(8月23日時点)。ヤクルト側の失速も大きいが、DeNA側にも独走を止めた“戦略”があった。

 DeNAは6月28日の阪神戦以降、ホームで負けナシ。7月7日の引き分けを挟んで「本拠地17連勝中」である。
 
「これだと断言できる明確な勝因がないんです。横浜スタジアムはホームランが出やすく、DeNA投手陣にとっては不利な球場です。かといって、DeNA打線が横浜スタジアムで爆発しているということもないし」(球界関係者)

 強いて言うならば、三浦大輔監督の「柔軟性」が勝因ではないだろうか。

 快進撃が始まる本拠地前節の阪神3連戦(6月28〜30日)でのことだ。試合前の打撃練習でいつもと違う光景が見られた。午後6時の試合開始に備えて、ビジターチーム、ホームチームの順番でグラウンド練習を行うのだが、午後4時を過ぎても、DeNAナインはほとんど出てこなかった。10分程度のノックを受けただけで、すぐにベンチに下がってしまう選手もいた。
 
 そのとき、三浦監督が口にしたのが「暑さ対策」の言葉だった。
 
「今日は早出を含めて、室内でやらせました」

 同日の横浜市の最高気温は36.5度。横浜スタジアムのレフトスタンド上空にはまだ太陽があり、人工芝のグラウンド上は大袈裟ではなく「サウナ状態」だった。

 猛暑でダラダラとやるよりも、室内のほうが練習にも集中できると判断したのだろう。こうした練習法は今も続いている。

「ビジターとして他球場で練習する際も、時間を短くするなど工夫をしています」(前出・同)

 かといって、練習不足にはなっていないようだ。本拠地では室内を有効に使い、一定の練習量をキープしているという。
 
 三浦監督は現役時代、練習量の多さで知られていた。その考えを押しつけるのではなく、選手がベストコンディションで試合に臨めることをいちばんに考えているようだ。「暑さ対策」が大逆転劇を起こすか?

(スポーツライター・飯山満)

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