「大本命」大阪桐蔭を倒すのはどの学校か? その強さの源泉

 高校野球の取材現場にいると、必ず言っていいほど話題に挙がるテーマがある。「大阪桐蔭を倒すのはどの学校か?」——。

 春夏連覇を目指す大阪桐蔭(大阪府)は初戦の旭川大高(北北海道)に逆転勝ち。先取点を奪われてネット裏をざわつかせたものの、終わってみれば6対3。甲子園春夏通算70勝目のメモリアルを飾った。

 次の3回戦では激戦区・埼玉代表の聖望学園を先発全員安打の今大会最多25安打で19対0と圧倒。優勝候補筆頭らしく危なげない戦いを見せた。

 大阪桐蔭の野球部員は64人しかいない。強豪校になれば100人を超えるのが珍しくない中で、同校の部員数は出場校の中でもかなり少ない方だ。それだけ、少数精鋭で練習に打ち込める環境だとも言える。
 
 大阪桐蔭には日本全国から優秀な球児が集まっている。U−15大会など中学生の大会には各強豪校の関係者もいて、“高いレベルで野球がやりたい”と希望する球児たちの相談に乗っているという。

「大阪桐蔭の西谷浩一監督は『飛び抜けた選手はいない』と言ってましたが、全国から集まった分、ハイレベルな練習になるはず」(在阪メディア)

 また、こんな話も聞かれた。

「大阪桐蔭のユニフォームは少し小さめ。体にフィットしていると、相手に体格が大きいと錯覚させることもできるので(笑)」(関係者)

 64人の部員は入学当初から野球ノートの記載を義務づけられ、全員が同じ方向を向くまで徹底したミーティングも行う。練習が足らないと思えば、昼食の休み時間を返上し、メシをかき込んでグラウンドに行く者もいる。

「プロスカウトも、大阪桐蔭の指導に一目を置いています。同校からプロに進んだ卒業生は、金属バットと木製の違いにあまり苦しんでいません」(前出・在阪メディア)

 無名校が有名校を倒すのも高校野球の醍醐味だが、強豪校には部員個々に高い志があるようだ。夏の甲子園大会では、団体と個人、その両方で野球に集中できたかどうかが問われる。

(スポーツライター・飯山満)

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