大谷翔平「エンゼルス残留」の逆転ウルトラC/2022下半期「激動のスポーツ界」大予測

 観客制限徹廃で、さらに盛り上がりをみせるスポーツ界。中でも日本人の興味の中心は、やはり野球とサッカーだ。NPBを差し置いて盛り上がるMLBの大谷翔平(28)、そして11月21日にはサッカー・ワールドカップが開幕。その動向と結果を専門家が予測する。

 セ・リーグはヤクルトに早くもマジックがつき終戦状態。パ・リーグは混沌とした首位争いが続いているもののイマイチ関心が集まらない。その反面、テレビや新聞、ネットでは連日のようにエンゼルス・大谷の活躍と去就に注目が集まっている。MLBに精通するジャーナリスト・友成那智氏が話す。

「まず大谷の動向についてですが、ニューヨーク・メッツなどの名前を挙げて年内のトレードを報じているところもありますが、はっきり言って考えられないことです。メッツの名前が挙がるのは金満球団であることと、主力選手がケガをしているから。ですが大前提として、大谷が入った場合、(ピッチャーの)6人ローテーションができないと活用できない。二刀流をやらないで単に左の主砲が欲しいというだけなら話は別ですが。また、金満人気球団という意味で、カリフォルニアのロサンゼルス・ドジャースの名前も挙がっていますが、これもない。クレイトン・カーショウやウォーカー・ビューラーのようなトップクラス(かつ年俸が高い)の投手がそろっているチームが、6人ローテーションのような効率が悪いことをするわけがないですから」

 それでも、友成氏はあえて球団名を挙げるなら、と断って「6人ローテーションを組んだことがあり、日本人選手にも理解があるシアトル・マリナーズ」だという。ただし、全て大谷のトレードありきの話で、実はそこが見間違っているというのだ。

「むしろありえるのは、エンゼルスが主砲で人気者のマイク・トラウトを放出して、大谷を残すという選択肢です。理由のひとつはトラウトが30歳で28歳の大谷より年上であるということ。長期高額契約を結んでいますが、エンゼルスが30、40%の年俸を負担すれば、トラウトが子供の頃からファンだったフィラデルフィア・フィリーズなどが手をあげる可能性は高い。その浮いたお金で大谷と長期契約を結ぶ。こう考えるほうが合理的です。懸念されるのは大谷が望むシーズン終盤にヒリヒリするような刺激がエンゼルスで味わえるか否かでしょう」

 注目の大谷の動向はズバリ、エンゼルスと長期高額契約を勝ち取っての逆転残留というわけだ。

 大谷以外では、最近、復帰を果たしたピッツバーグ・パイレーツの筒香嘉智(30)もいるが‥‥。

「年内はパイレーツに残ると思います。ただ、来年の契約は正直、厳しい。日本球界復帰も視野にあるのでは」(前出・友成氏)

 また、シーズン終了後、日本人選手のメジャー移籍について、友成氏はこう続ける。

「ソフトバンクの投手・千賀滉大(29)一択でしょうね。彼はメジャーでも先発二番手くらいの期待値があり、先発が欲しいレッドソックス、あるいはドジャース、カブスなどが有力候補となります」

 お次は11月21日にカタールで開幕するサッカーW杯だ。サッカージャーナリスト・六川亨氏はズバリ、日本代表の予選突破の確率を次のように予測する。

「五分五分です。ただし運がよければ、ですけどね。その条件として、まずは初戦のドイツ戦(23日)で勝つか引き分けるかという幸運に恵まれること。ドイツも初戦ということで慎重にくるでしょうから、それに乗じてうまく時間を使えるかどうか。最低でも引き分けが必要です」

 六川氏によれば、かつて優勝候補チームは予選を温存すると言われたそうだが、現在のサッカーは世界の差が縮まっており、どこもそんな余裕はない。それゆえ、ドイツも警戒、慎重になり、そこに一条の光明が見えるというわけだ。

「次戦のコスタリカ戦(27日)ですが、日本以上に守備が強い。そしてお互いに勝ち点3が欲しい試合です。それに対して森保監督がどんなプランを立てるのか。FWの伊東純也(29)などスピードのある選手が作ったワンチャンスを、確実に決められるかがポイントです」(前出・六川氏)

 つまり「守り勝つワンチャン作戦」で、できれば1勝1分け、最低でも2分けで12月1日のスペイン戦に臨むことがベスト。初戦を敗退した場合は、全敗の可能性すらチラついてくる。

 2戦目までうまく作戦がハマったとして、そこからは「神のみぞ知る」として、六川氏が続ける。

「義理人情に厚い森保さんがサプライズ招集をすることも考えられない。大迫勇也(32)のケガの回復しだいですが、あとは森保監督を信じるだけです」

 予選突破は厳しいというムードもある中、まさかの快進撃に期待したい。

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