「日本一上陸が困難な有人島」のサウナは格別だった!

 伊豆諸島の有人島では最南端に位置する青ヶ島。島民はわずか166人(※22年6月現在)と東京都の自治体では最も人口が少ない。
 
 東京本土からの距離は約350キロと小笠原諸島(約1000キロ)よりは近いが、年間あたりの観光客の数は20分の1以下。世界遺産の島とそうでない島の知名度の違い、観光インフラの差など理由は1つではないが、なかでも大きな要因となっているのがアクセスの難しさ。実は、青ヶ島は定期便が就航されている国内の有人島では“日本一上陸が困難な島”とも呼ばれているのだ。

 青ヶ島は海域火山の島で海面から出ているのは上の部分のみ。全長9キロにおよぶ島の外周は大部分が断崖絶壁で、水深も一気に深くなっているので通常の港のような防波堤も設置できない。そのため、高波の影響で船が接岸できず、八丈島からの週4〜5便のフェリーの欠航率は40〜50%と非常に高い。

 実際、筆者も欠航で行けなかったことがあり、後日フェリーでなく同じく八丈島からのヘリコプターの定期便で訪問。ヘリポートは外縁部の高台にあり、島民たちはその周辺や盆地状になった噴火口跡に住んでいる。狭い島なので1日あれば十分歩いて回ることができ、なかでも海に囲まれたカルデラが一望できる尾山展望公園からの眺めは絶景だ。

 また、島に訪れた観光客が必ず訪れるのがカルデラ内の丸山という小さな山の麓にある「ふれあいサウナ」(入場料300円、水曜定休)。ここは地熱を利用した世界でも珍しい天然サウナで、サウナ好きの間では聖地になっているという。

 高めの湿度が特徴的なスチームサウナで、地中から噴出した蒸気だと思うとやけにありがたみを感じる。さらにこの施設の近くには地熱を利用した窯があり、卵や野菜、魚介類を蒸した「ひんぎゃ料理」が島の名物で、窯は誰でも無料で利用することができる。

 大自然に囲まれ、同じ東京とは思えない秘境っぷりだが、飛行機とヘリ利用なら羽田からは2時間10分(※乗り継ぎ時間込み)。長い休みは取れないが夏休み気分を味わいたいという方にはオススメだ。

(トシタカマサ)

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