昨年や一昨年のように緊急事態宣言が出なかったこともあり、3年ぶりに全国の行楽地が大勢の人で賑わった今年のゴールデンウィーク。ホテル業界や旅行関係者が待ち望んだ復調の気配だが、一方で新たな問題が浮き彫りになった。それがレンタカー不足問題だ。
特に深刻だったのは沖縄。本島をはじめ、宮古島や石垣島といった離島でも連休前の時点でほぼ全車が予約で埋まっていたほど。那覇市内のレンタカー店のスタッフは、「連休中も毎日50件以上の問い合わせが来ましたが、すべて断らざるを得ませんでした。こんな形で商機を逃すことになるとは…」と残念そうに話す。
沖縄県レンタカー協会によると、GW時点での保有台数は約1万5800台。これはピーク時の19年夏のわずか57%に過ぎない。
「コロナ禍の影響で長期にわたって観光客が激減しましたが、レンタカーは保有するだけでコストがかかります。そのため、各社が一斉にリース契約の解除や車の売却に踏み切りました。ところが、いざ旅行客が再び戻ってきても簡単にレンタカーを増台できなかったんです」(自動車専門誌編集者)
その背景にあるのは世界的な半導体不足による新車不足。しかも、中古車市場も車不足に陥っており、現在保有する台数で回さざるを得ないという。
「沖縄はとくに顕著でしたが、レンタカーは全国的どころか世界的に不足しています。保有台数がコロナ前の状況に戻るまでにはかなりの時間を要するはず。少なくとも年内はレンタカー不足が続くのは間違いありません。なかでも北海道はこれから夏場に向けて観光シーズンを迎えますが、連休中の沖縄のように多数のレンタカー難民が出ることが予想されます」(同)
以前なら旅行直前の予約でも難なく確保できたが、今後は日程が決まった時点で1日でも早く手配したほうがいいかもしれない。