春の連続ドラマがいよいよスタート。4月10日放送の嵐・二宮和也主演「マイファミリー」(TBS系)が初回世帯平均視聴率12.6%(ビデオリサーチ調べ・関東地区)を獲得した。
「ドラマのTBSを代表する看板枠での放送です。主演は嵐の二宮、ヒロインは好感度抜群の多部未華子。脚本は木村拓哉主演の『グランメゾン東京』、鈴木亮平主演の『TOKYO MER~走る緊急救命室~』などのヒットで知られる黒岩勉氏のオリジナル。同枠1月クールの阿部寛主演『DCU』はぶっちぎりの強さを見せ、初回世帯平均視聴率16.8%を叩き出し、全話平均視聴率14.43%を記録。その興奮冷めやらぬ中での放送、25分間も延長するなど局の期待もMAXでした。ある日突然、娘を誘拐された夫婦が警察の力を借りずに2人だけで犯人に立ち向かう物語で、“ノンストップファミリーエンターテインメント”と謳うだけに誘拐事件発生からの息つく暇のない展開、緊張感あふれる演出といい、さすがでした。主演2人が私生活でも乳飲み子を抱える子持ちということもあいまってのリアルな熱演。ツイッターでも『#マイファミリー』がトレンド1位に浮上するなど話題持ち切りだったんです」(テレビ誌記者)
だが、意外にも数字は伸びず、期待された15%超えはならなかった。二宮・多部は放送前にTBSの情報番組からバラエティ番組までありとあらゆる番組にゲスト出演、宣伝に務めてきた。ディズニー動画配信サービス「Disney+」での世界配信も決まり、お茶の間の注目度も高かった。なのにナゼ?
「今どきのドラマはとにかく数が多い。4月クールでドラマ枠が一段と増えた。よほどのドラマファンでなければ、お気に入りの役者が出演するか、高視聴率で話題になったドラマしか見ません。となると、1クール通して全視聴するのは、せいぜい1、2本。当然初回を見て判断するわけで、そこで気に入らなければ、それっきり。だから2話目の視聴率が上向かなければ、その先の右肩下がりは間違いありません。1月クールの嵐・松本潤主演『となりのチカラ』(テレビ朝日系)は初回11.5%の2桁発進でしたが、視聴者を引きつけられず、6話目で7.9%の最低視聴率を記録。結局2桁への浮上は叶わず、全話平均9.16%に沈みました」(芸能ライター)
二宮ドラマもこのままでは右肩上がりは難しいかもしれない。というのも、このドラマ、ある大ヒットドラマにそっくり、既視感をおぼえてしまうというのだ。ドラマウォッチャーが指摘する。
「2021年10月から2022年3月まで半年間放送された『真犯人フラグ』(日本テレビ系)に似てますよね。突然、妻と2人の子どもが失踪。残された夫が家族救出のために真実を暴く日々を描いたもので、夫の周囲に登場する人物誰もが怪しさ満点で、謎が謎呼ぶ考察ドラマとして、大ヒット。意表をつく真犯人と事件の真相にたどり着くまでの謎解きがネットで大いに盛り上がりました。『マイファミリー』は善良そうに見えて何やら一癖も二癖もありそうな共演者が次々登場。誘拐された娘すら偽装誘拐を匂わせるあたり、『真犯人フラグ』ぽい展開になるのでは、と思わされてしまいます。大ヒットしたドラマだけに、何かしら影響を受けていることはありえますし、初回ラストで誘拐事件をネットニュースで公表し、世論を味方につけた夫婦のくだりなんて、あるあるの展開ですよ。今後、警察を排除してどういうふうに戦っていくのかが見せ場となっていくわけですが、諸刃の刃になるネットの反応など、扱い方次第ではデジャブは避けられないと思います」
既にネットでは「マイファミリー」が「真犯人フラグ」の二番煎じだのパクリだので大いに盛り上がっており、出演者のカブりなども指摘されている。3カ月間考察ドラマとして話題を提供し続けられれば、間違いなく視聴率は右肩上がりになるだろうが、はたして。
(塩勢知央)