「闇の掟」は無実化…相次ぐ大物芸能人の独立 過去には拉致軟禁の大トラブルも

 これまで、何度も芸能マスコミを騒がせてきた、タレントと所属事務所の間の契約トラブル。だが現在、その潮目が大きく変わりつつある。

「理由は様々ありそうですが、国民的人気を誇った元SMAPの3人が移籍や独立後、テレビから姿を消したのをきっかけに、19年に公取委がジャニーズに注意を行ったことが一つのきっかけになっているでしょう。現在の芸能界は、かつてのような反社勢力とのかかわりもほぼなくなり、長らく従わざるを得なかった〝独立後1年間は活動自粛〟という闇の掟も無実化してきていますね」(芸能プロ関係者)

 実際、今年に入ってからも、佐々木蔵之介、多部未華子、氷川きよし、関口メンディーなど、多くの人気芸能人が所属事務所からの独立を発表しており、この流れは止まりそうもない。かつては、芸能人の独立トラブルが警察沙汰にもなっていたことを考えると、これは大きな進歩だろう。

 1974年、現在も女優として活躍する風吹ジュン(71)が、拉致軟禁事件に巻き込まれる大スキャンダルが発生した。

「9月某日、歌手デビューした直後の風吹がフジテレビで歌番組の収録を終えて帰る途中で、男たちに腕を掴まれて車で連れ去られるという事件がありました。警視庁はパトカー20台、捜査員50人を動員する騒ぎとなりました」(芸能リポーター)

 翌朝になって、風吹は都内のホテルで発見されたが、この事件の背景には、事務所移籍をめぐるトラブルがあったことが分かっている。

「当時の所属事務所に不満を持っていた風吹が、ギャラ倍増を約束してくれた実業家A氏とともに新事務所を立ち上げて独立しようとしたところ、別の所属事務所関係者B氏に〝Aは反社だ〟と吹き込まれて混乱し、風吹はB氏とも契約を交わしてしまい、問題がこじれにこじれてしまったといいます。連れ込まれたとされるホテルでは関係者との話し合いが持たれただけで、そこに反社勢力も暴行もなく、翌朝、解放されたとして騒動は落ち着きましたが…」(前出・芸能リポーター)

 芸能人たちが、その才能を存分に発揮できる環境づくりを願う。

(露口正義)

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