ウクライナ侵攻や韓国の大統領選のニュースばかりが続いたワイドショーに、久々の下世話な話題を提供したのが、10日発売の「週刊文春」によって暴かれた、俳優兼映画監督の榊英雄氏による性加害問題。11日放送のバイキング(フジテレビ系)でも、1時間近くかけてじっくりと紹介した。
急遽公開中止となった映画「蜜月」が女性の性被害をテーマとした映画だったこと、そして、アンダーウエアを「履いてくるな」「駐車場で行為」「ぐしゃぐしゃの千円札を投げ渡す」といった、クズ感満載のパワーワードにコメンテーター陣もヒートアップ。渡部建やゴールデンボンバーの歌広場淳ら歴代のゲス不倫に負けず劣らずのエピソードは、出演者のコメントにも燃料投下することとなった。
番組では文春の記事の内容と榊英雄監督の謝罪文、そして関わったカメラマン、プロデューサーなどの告発などを順を追って紹介。ワークショップに参加した女性を居酒屋に誘い、その後路上で行為に及ぶのが常套手段だったと紹介されると、MCの坂上忍は「駐車場で行為して合意の上だったなんて、にわかに信じ難いんですけれど。ゴウカンに等しい」と吐き捨て、コメンテーター陣も辺見えみりは「これが本当なら最低」と呆れ、土田晃之も「映画撮っている最中に手を出すのはプロ意識低い」とバッサリ。
アンガールズ田中卓志は「キャスティングが性行為で決まることはこの業界から無くさなくちゃいけない」と何かを案ずるかのように語り、ロンブー田村淳は「監督が(謝罪文で)説明をしているようでしていない。監督がすべきことは曖昧にすることではなく、限界まで話して反省して女性たちに見せるべき」などと冷静にコメント。当然、榊英雄監督をかばうような発言は一切出ず、本人不在の公開処刑といった様相を呈した。
「昭和の映画界で『女優を妾にしたんじゃない、妾を女優にしたんだ』と言い放ったワンマン社長がいましたが、今は『#Me too』の時代。アメリカの映画プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインが女性たちに対しセクシャルハラスメントや性的暴行を行ったことが明るみに出た『ワインスタイン事件』は社会現象を引き起こし、ワインスタインには禁固23年の刑が言い渡されました。その後韓国でも#Me too運動が激化し、俳優が自死に追い込まれたことも。たまたま、韓国の大統領選後でウクライナに次ぐ大きなニュースがなかったというタイミング、そして、ほとんどの人が知らない映画監督とはいえ、あまりのゲスっぷりに、バイキングとしても番組終了の月に大きなヤマを作るネタだったと言えるでしょう」(TVウォッチャー)
気になるのは、今回上映中止となった映画「蜜月」がいつ公開されるのか、そして榊英雄監督の再起はあるのか、ということだが、
「榊監督の再起はいばらの道になるでしょうね。昭和の時代なら少々やらかしても有名監督の下で助監督などに雇ってもらうなどして、現場にいられたかもしれません。しかし現在は、映画業界とてコンプライアンス重視の時代。いくら監督の評価は観る人が決めるとはいえ、榊英雄の名前では今後出資者を集めるのも難しくなるでしょう。榊監督作は一旦公開中止になった『蜜月』の他にも、安田顕・山田裕貴W主演の『ハザードランプ』が4月15日に公開を控えています。こちらも中止や延期になるとしたら、大変な損害になります」(映画関係者)
2020年3月に不貞会見から無期限休養となった渡部建は、3月になって千葉テレビの冠番組「白黒アンジャッシュ」で活動を再開したが、批判が殺到。TOKYO MXや三重テレビなどで放送が打ち切られるなど、2年経ってもまだ多目的トイレでの行為に嫌悪感を抱く人は多い。謝罪文で一部否定しているとはいえ、ここまでゲスなエピソード満載の榊英雄監督は、この先「監督」でいられるのか。そして反撃はあるのか。まだまだこの話題は尾を引きそうだ。
(ロドリゴいしざわ)